神奈川県におけるキャッチフレーズ行政の危険性

みなさんへのメッセージ

(写真は、黒岩神奈川県知事 県ホームページより)

酒匂川流域自然エネルギー研究開発協議会として神奈川県西部に自然エネルギーを活用した新産業を創り出そうと提案の準備を進めてます。

神奈川県が4月から始まる新年度の予算案の中に県西部の活性化のための地域プロジェクトの推進費として1億円盛り込んでいますのでこの財源の活用を目指しています。

新年度予算案の全体像を見ようとざっと目を通しました。県として一つの方向を目指すわかりやすさが不足しています。まとまりがない印象を受けました。

キャッチフレーズがいたるところに散りばめられていることが原因の一つだと思います。弾んだ言葉の輝きに目を奪われてしまって中身が見えないのです。

こうした感覚は、マグカルという言葉に象徴されます。黒岩知事は磁石のように吸い寄せる神奈川を目指しています。マグネット神奈川と表現されました。

マグネット神奈川をもたらす文化活動をマグネットカルチャー、略してマグカルです。新規事業としてマグカルの全県的な展開という項目がありました。

「カナガワ リ・古典プロジェクト」「マグカル・パフォーミングアーツ・アカデミーの創設」「「マグカル劇場」「フライデー大会の開催

「人を引きつける魅力ある地域づくり」というタイトルが付けられているページです。いくらなんでも違和感を覚えます。軽いというか何を目指しているのかわかりません。

キャッチフレーズで受けを狙っているとしか言いようのない表現もあります。「女子力全開ハッピーライフ支援事業」という項目がありました。意味不明です。

県予算という堅苦しい内容のものを出来る限り注目を集める表現に改めるという狙いは理解はできますが、過ぎたるは何とかという言葉もあります。

地方分権時代における県の役割は住民と直接向き合う市町村を応援することです。市町村では手に負えない項目を担うことです。目立つことではありません。

3・11を受けた防災のあり方、原発に頼らないエネルギー自給体制をどう作るのか、県東部にかたよってしまった経済構造のバランスをどう調整するかなどが主要課題です。

地味であることは何ら恥ではありません。それどころか県としの王道を歩もうとすればマスコミ受けなど無縁であるといっても過言ではありません。自戒して欲しいです。