地涌の菩薩(じゆのぼさつ)と町づくり

開成町

昨日、府川裕一開成町長の後援会総会がありました。来賓として挨拶をしました。お彼岸も近いのでと切り出し、仏教のお教の話をさせてもらいました。

法華経の中に地涌の菩薩(じゆのぼさつ)という章があります。地涌とは地面から湧き上がってくることです。地面が割れて優れた菩薩が次々と現れてくると説いています。

齢も重ね、教えの最終段階に入ったお釈迦様がついに最高の真理を説く決心をします。各地から菩薩がやってきてお手伝いをしますと申し出ます。

しかしお釈迦様は許しません。すると地面が割れて数え切れない菩薩たちが湧き上がってきます。お釈迦様はこの菩薩たちに真の教えを広めることを託します。

法華経の地涌の菩薩の章は、町づくりにとって大切な原則を教えていると思います。まずはリーダーの決心が必要だということです。これがなければ始まりません。

リーダーが決心して呼びかけます。それに呼応して地域の皆さんが立ち上がります。外の人ではありません。地域のみなさんも責任を持って取り組むことが大切です。

私は、町づくりにとってこの順番を間違えてはならないと思っています。皆さんの意見を伺って、市民町民とともに。耳障りが良い言葉です。

しかし、それで具体に町づくりは進むのか疑問です。一歩間違えばみんなで責任逃れとなってしまい官僚たちが適当なところでお茶を濁すみたいな状況になりがちです。

リーダーがまず決心して呼びかけることが先決です。細部にわたるまで細かく指示をしろというのではありません。大局に立って大枠の考えを示すことが大切です。

大枠といってもプロフェッショナルたちに一目置かせる内容を含んでいなければなりません。単なるスローガンを超え具体のイメージを喚起する必要があります。

開成町は、小さな町でありながら都市計画を徹底する町づくりを展開してきた結果、人口も子供たちの数も増えて活力があると評価されています。

しかし、都市計画の根幹をなす美しい水田が農家の高齢化とともに維持が深刻な課題です。新たな手を抜本的に打つ時期です。リーダーの決意と町民への呼びかけが必要です。

町民の参加意欲は高い町です。必ず呼びかけに応える皆さんが大勢参集することでしょう。来年は町政施行60周年の記念の年です。リーダーの奮闘を期待して止みません。