足柄紫水大橋開通

足柄平野を流れる酒匂川に新しい橋が開通しました。昨日記念式典がありました。橋が架かるのが本決まりになって10年、着工から8年、80億円の事業です。

名前は公募により足柄紫水大橋となりました。紫は開成町の花、あじさい、水は、大井町の花、水仙の水で両岸の町の花から取ったということです。

この橋の建設を巡っては思い出深いものがあります。建設に向けて具体に動き始めたのは岡崎洋知事の最後の頃でした。岡崎知事は建設に否定的でした。

開成町には、既に足柄大橋と十文字橋という2本の橋が架かっています。何本架ければ気が済むのかという姿勢でした。厳しかったです。

しかし、岡崎知事の気持ちが動き出したのは、開成町が富士フィルムの先進研究所の誘致に向けて動き出したことからです。企業誘致の促進材料になると訴えました。

富士フィルムの主力工場のある南足柄市選出県会議員の川上賢治さんが調査費を認めさせたことがまず第一歩でした。最初の節目でした。

2003年の4月に松沢成文知事が誕生しました。すかさず攻めました。知事と足柄上地域の市長、町長との予算をめぐっての懇談会の席上でした。

当時の県土整備部長は新たな橋の建設を認めませんでした。はしにも棒にもかけない態度でした。私が食ってかかりました。優良企業を逃がして良いのかと迫りました。

かなり激しいやりとりとなりました。松沢知事が議論を引き取りました。「最優先で取り組みましょう。」と明言しました。一気に事態が好転しました。

2003年7月25日に南足柄市の沢長生市長、大井町の間宮恒行町長と話し合いを持ちました。私のメモには松沢知事の発言を受けて動こうと書かれています。

開成町側は住宅の整備が進んでいる地域ですので騒音などを心配して反対の声もありました。しかし、この地域の土地整備は橋の建設を前提に計画的に進めていました。

行き当たりばったりの話ではないので反対の声は地域住民の議論の結果収まりました。町職員、かなり苦労しましたが手順を踏んで王道を歩んだのが良かったです。

酒匂川の右岸の南足柄市と開成町、左岸の大井町の両岸の結び付きがグッと強くなります。広域行政の展開を強化する弾みとなると期待します。

昨日の開通式で地元中学校のブラスバンドがサイモンとガーファンクルの「明日に架ける橋」を演奏していました。足柄平野の未来を明るくする足柄紫水大橋としましょう。