CLT、木の高層建築を可能にする夢の素材

おおとよ製材社員寮

(CLTと呼ばれる木の合板で建築した建物 銘建工業ホームページより)

昨日、富士フィルムのOBの方々が中心となっている西湘自然環境再生研究会の5人のメンバーの皆さんとバイオマスの活用について意見交換しました。

中心メンバーの方がCLTという木の合板について詳しく紹介されました。クロス・ラミネイティッド・ティンバーの略です。直角に交差させた木の合板ということです。

木の合板は、通常は、一つの方向に貼り合わせます。CLTは、直角に張り合わせながら板を作っていきます。これによって格段に強度が向上するということです。

CLTは、ベストセラーになっている『里山資本主義』でもコンクリート並みの強度を持つと紹介されています。オーストリアやイタリアで活用が進んでいるとのことです。

強度がありますので高層建築が可能となります。オーストリアでは9階建てまでCLTで建築が可能です。建て替え検討が始まった開成町役場でも考えて欲しいです。

日本でも実は導入が始まっています。『里山資本主義』の中で岡山県真庭市の製材メーカーの銘建工業がいち早くCLTに挑戦していると紹介されています。

3月3日の国会参議院予算委委員会で安倍総理大臣と太田国土交通大臣、林農林水産大臣が民主党議員の質問に対して普及を推進すると答弁したと伺いました。

国を挙げてCLTの動きが加速しそうです。手をこまねいていては立ち遅れます。CLTの優れたところはあらゆる質の間伐材を活用できるところにあります。

A材と呼ばれる高品質の素材だけでなく質が落ちても直角に組み合わせるので板にすることができるということです。森林の活用には朗報です。

神奈川県西部でも大至急検討する必要があると思います。隣接する静岡県や山梨県とも連携してCLTの製材拠点の設置や間伐材の集積のあり方を検討する必要があります。

CLT協会ができてます。秋田県、高知県、愛媛県、鳥取県、兵庫県は県として入会しています。山林の荒廃は神奈川県でも重大問題です。積極的に関わって行く必要があります。