阿部詩選手の大号泣と日本柔道

柔道で2回戦で敗れた阿部詩選手の大号泣が話題になりました。
ちょうど車に乗っていて目的地に着いたところでした。

テレビでアナウンサーが絶叫してました。
阿部選手が一本負けしたからです。

そのあとテレビから会場に響き渡る鳴き声が聞こえました。
用事があったのでそのまま下りました。

妻があとからきて鳴き声の主は阿部選手だと知りました。
立ち直れないのではと言ってました。

のちほどテレビ画面で様子を見ました。
観客が「ウタ、ウタ、ウタ」と励ましているのが胸に響きました。

阿部詩選手の振る舞いについてネット上で様々な声が上がったとのことです。
誹謗中傷もひどかったようです。

敗れたとはいえ精一杯闘った選手を叩きのめすような行為は論外です。
しかし批評をしてはいけないということにはなりません。

3年前の東京オリンピックの日本柔道をけん引したのは大野将平選手でした。
男子73キロ級でオリンピック2連覇を果たしました。

強さとともに礼に厳しい態度が強く印象に残ってます。
勝負と同等以上に礼儀を重んじていました。

大野選手の態度と阿部選手の大号泣は距離があります。
大野選手が現役でチームを引っ張っていたら阿部選手を戒めたように思います。

どんなに悔しくても相手を讃え畳から降りるのが日本柔道だと諭したと思えてなりません。
柔道は「道」です。勝敗だけがすべてではありません。

涙をこらえ相手選手と握手し畳を降りコーチの胸を借り思い切り泣けばよかったです。
阿部選手は敗戦だけでなく今回の振る舞いも教訓にして次を目指してほしいです。

その前に観客の激励の大声援に対し感謝の意を正式に表明するのが筋です。
あの温かい声援は阿部選手の再起にエールを送っているのと同じです。

今回の柔道で最高殊勲選手は48キロ級女子の角田夏美選手です。
磨きに磨き上げた巴投げの威力は超ど級です。

フランスに敗れた団体戦でも上の階級の選手の投げ飛ばしていました。
真に賞賛に値します。