日韓の協調、いばらの道は続く。
(写真は、msn産経ニュースより)
25日にオランダのハーグで日米韓首脳会談が開かれました。会談で安倍総理大臣が韓国語で朴大統領に語りかけました。パク大統領は硬い表情のままでした。
安倍総理としては朴大統領をちょっぴり驚かせて友好の気持ちを伝えようと精一杯考えた演出だったと思います。朴大統領は無反応を装うしか術がないように見えました。
冗談を言い合う仲ならば、たとえ大喧嘩をしたあとでもこんな風にはなりません。苦笑いぐらいはするものです。信頼感がないために反応すらできないという感じでした。
朴大統領としては下手にニコニコして反応してしまったら国内の反発が気がかりだったのかもしれません。いずれにしても日韓の協調は一筋縄ではいかない印象を与えました。
日韓の協調を演出するいわば道具として使われたのは、従軍慰安婦問題でした。1993年の河野談話を見直すか見直さないかという問題がにわかに浮上しました。
これは、安倍内閣の軍師役の菅官房長官が仕掛けたものだと推測しています。まずは、従軍慰安婦の存在と日本軍の責任に言及した河野談話を槍玉に挙げました。
韓国やアメリカで反発が強まった頃を見計らって見直さないと安倍総理自身が明言しました。安倍総理の指導力で沈静化を図ったという印象を振りまきました。
その結果、日米韓の首脳会談が実現の運びとなりました。巧みといえば巧みなシナリオです。しかし綱渡りというか曲芸的な演出と言わざるを得ません。
安部総理を支えるタカ派の面々は河野談話はとんでもないという認識は全く変えていない訳です。安倍総理は河野談話を変えてくれると思っていたはずです。
今回の日韓協調の演出により河野談話の見直しは消えました。安倍総理の支持層の多くには安倍総理の裏切りと映ったのではないでしょうか。
安倍政権の今後の政局運営に影を落とすことになると思います。日韓強調を演出した菅官房長官に対する風当たりは相当に強まっていくと私は推測します。
日韓関係は、従軍慰安婦問題だけでなく竹島問題も抱え協調の道のりは険しいと思います。パク大統領が反日を支えにしているスタンスを変えるとは思えません。
大統領自らが刺激的な発言を再び繰り返えせば日本側のタカ派勢力が反応し再び不信感を増長させる危険性は限りなく高いと思えてなりません。
韓国側の言動に振り回されずに日本政府がどこまで沈着冷静に対応できるかが焦点だと思います。タカ派に煽られて過剰反応することは避けるという賢さが鍵だと思います。