忘れ去られた偉人からのマスコミへの警告

今年3月オランダのハーグにある国際刑事裁判所の所長に赤西智子さんが就任しました。
日本の女性が世界平和と正義を守る最前線に就いたことは誇らしいです。

国際刑事裁判所の源流は2次世界大戦前の国際司法裁判所にあります。
今は忘れ去られていますが所長に安達峰一郎という日本人が就き尊敬を集めていました。

NHKBSの「英雄たちの選択」で安達さんを取り上げているのを見て初めて知りました。
死去した時オランダで国葬が行われました。

アフガンで凶弾に倒れかの国の首相が棺を担いだ中村哲さんの姿と重ねました。
偉人はいるものです。

安達さんは1930年に日本に一時帰国した際に母校の東京帝国大学で講演してます。
番組に出演していた藪中元外務次官がその内容を紹介していました。

国民を喜ばせるような記事を書いている新聞ばかりを読むことを戒めています。
大きな世界平和を構想して欲しいと呼びかけています。

現代にも通用する警告だと受け止めました。
心に刻む必要があります。

戦前、日本のマスコミが国民の熱狂を煽った側面は否定できません。
番組でも1933年の日本の国際連盟脱退を熱狂的に受け止めた国民の姿に言及してました。

マスコミの扇動的な記事が無ければこうはなりません。
マスコミの歴史上の汚点のひとつです。

一方で踊らされた国民は無罪でしょうか。
国民が喜ぶからマスコミはそうした記事を提供するのです。

国民は国家の犠牲になったとだけは言い切れません。
国民にも責任はあります。

戦争についてのマスコミ報道は国民の苦難を題材にすることが大半です。
戦争に突入してしまった原因を追及する報道は多くありません。

マスコミは自らの戦争責任と向き合わなければならないからだと思います。
これは誤った考えです。

マスコミは過去から学ぶ必要があります。
扇動的な報道は厳に慎む必要があります。

冷静に状況分析し国民に選択肢を示すことがマスコミの役割です。
国民を煽るのは論外です。