草刈りから始まる「杜(もり)」づくり

1日ドキュメンタリー映画「杜人(もりびと)」を鑑賞しました。
小田原市役所隣のホールで上映会がありました。

「森」と「杜」は違います。
「杜の都」といえば仙台です。

仙台市HPには「杜」は自然に生えた樹木ではないと書かれています。
人々が協力し合い長い年月かけて育ててき緑だとされています。

神社や寺や屋敷の周りを取り囲んだ緑、人々が手入れをしてきた緑だと強調してます。
特別の存在ということです。

映画「杜人」は矢野智徳さんというひとりの「環境再生医」の行動の記録です。
矢野さんは現代の病んだ森の再生に取り組んでいます。

いわば「森のお医者さん」です。
超絶技巧を弄しているようには見えません。

自然の再生力を呼び覚ますように手を加えるに過ぎません。
これが本当の名医なのだと思います。

矢野さんが重視しているキーワードがふたつありました。
「空気」と「水」です。

「空気」は風です。
風の通りを良くすることで「森」は「杜」へと変化します。

わが家の周りにも雑木林が残ってます。
枝葉を落として風の通りを良くすると樹木が元気になる感じがします。

「水」は生命の源です。
コンクリートなどで無理にふさぎ水の通りを悪くすれば澱みます。

限界にまで達すると大雨の際に一気に崩れ出します。
矢野さんは土砂崩れを「大地の深呼吸」と表現し自然現象と捉えています。

映画でも登場した屋久島で杉が倒れたり土砂崩れが発生したり台風10号の被害が出ました。
矢野さんの診断を聞いてみたいです。

雑草も無駄にはしません。
根が微妙な空間を保ち土が固まるのを防ぎます。

ほどほどを求めていました。
根元から刈ると土が乾きイネ科の雑草が茂ってしまい厄介だからです。

草刈りは「杜人」へのささやかな第一歩だと確信しました。
名医の矢野さんが持ち歩いていたのは草刈り鎌だったことからもそれがわかります。

普段の草刈りもおろそかにできません。
「杜」づくりに貢献できる作業ですので心を込めます。