共産主義の理想の現在地
今度の衆院選、自公過半数割れの立役者は共産党の機関紙「赤旗」です。
自民党非公認者の政党支部への2千万円の政党助成金支給報道は衝撃的でした。
私は「赤旗」に何者かがリークしたのだとにらんでいます。
一般紙だと握りつぶされるので「赤旗」を選んだのではないでしょうか。
自民党に抵抗する野党の中の野党、共産党の面目躍如です。
機関誌「赤旗」の存在感を高めました。
しかし残念ながら共産党は10議席から2議席減らしました。
「赤旗」報道の偉業と裏腹に党勢拡大にはつながりませんでした。
立民党と国民民主党の躍進を助けた形となりました。
皮肉です。
女性を党首に据えても共産党に対するイメージは変わりません。
現状のままでは都合の良い時だけ利用される野党の影武者的存在のままで終わります。
共産党としてどう活路を見いだしていくのかぎりぎりの局面に来ているように思います。
孤立しても野党の中の野党として生きるかそれとも広範な支持を求めていくかです。
共産党イメージが改善しない根本原因は共産主義国家の独裁体制への拒否感があります。
ロシア、中国、北朝鮮の独裁国家の現実と重なってしまうのです。
日本共産党が違いを強調しても国民が現実に引きずられるのは止む得ません。
いくら理想を語ろうとも権力をいったん取れば独裁国家になるという不信感です。
新進気鋭の経済研究者の斎藤幸平さんは共産主義を提起したマルクスに光を当て直しています。
晩年のマルクスが共同体に着目していることを重視しています。
現代資本主義が限界を迎えている今、理想の共同体づくりから始めようとの提起です。
方向性としては一定の理解はできるもののあまりに抽象的です。
共同体を統治する際にエリートによる独裁を排除できるとは限りません。
独裁は共産主義に巣くう忌むべき病です。
どうすれば独裁を防げるか処方せんは明確でありません。
この問題に解答を出せないと共産主義に人を引きつける力は蘇りません。