治水思想の抜本的転換を求める

人は得意分野で失敗するものです。
通じているとの思い込みがそうさせるのだと思います。

石破総理の安全保障政策発言もそうです。
例の「アジア版NATO」です。

潜在的な敵国は中国になります。
中国と真正面から対峙を希望する国はありません。

この手の幻想としか言いようのない提案を総理が口にすることは百害あって一利なしです。
石破総理は任期中この発言を追及され続けるでしょう。

石破総理は防災庁の設立を問題提起しています。
報道によれば2026年度の発足を目指すとのことです。

こちらは荒唐無稽でも幻想でもありません。
突如立場をひょう変させることがないよう切望します。

石破政権の唯一の成果、置き土産になるかもしれません。
それでも総理として名を刻んだ証を得れるのですから良しとすべきです。

気候変動に伴う災害激甚化はとどまるところを知りません。
能登半島は1月に大地震9月に大水害です。

私がいちばん懸念しているのは災害の前提条件が崩れていることです。
私の町長時代、時間雨量100ミリなど想定してません。

治山・治水から都市部の排水対策まで全般にわたり前提を変えて再計算する必要があります。
そのうえで必要な対策をきめ細かに講じないと被害を減らせません。

河川の治水の在り方の根本思想の転換が求められます。
強固な土手を築けば水害は防げるというのは神話になりつつあります。

まさに想定外の連続としか言いようがなくち密な計算をしても前提が崩れ役に立ちません。
全国の各地の堤防が砂上の楼閣ではないかと気が気ではありません。

江戸時代の治水が手掛かりになります。
土手に人工的な刻みを入れて遊水地を設定したりする対策が今に役立ちそうです。

ローテク中のローテクですがバカにできません。
遊水地をどのように築造するかは現代のハイテク技術で対応すればよいです。

江戸時代の知恵を現代のハイテクで再武装ということです。
防災庁の発足を待たずに議論を深めて欲しいです。