高齢化の荒波の中にある民間日中友好活動

長寿社会です。
55歳といえば人生の半ば働き盛りです。

組織はそうはいきません。
半世紀を超えると制度疲労を来たします。


昨日小田原を中心に活動を続けている西湘日中友好協会の式典がありました。
55周年でした。

日本で最も古い民間の日中交友団体のひとつです。
高齢者の姿が目立ちました。

西湘日中友好協会は国交正常化前に産声を上げました。
日中国交正常化は1972年で日中平和友好条約は1978年のことです。

当時は日中友好は一大ブームでした。
多くの若者が全国各地で日中友好活動をけん引しました。

若者も年を取ります。
組織は高齢化が進み活動が鈍ります。

西湘日中友好協会はそうした状況に抗して踏ん張ってきました。
人的要素が大きいです。

会長の小早川のぞみさんは旧満州生まれのルーツを持ちます。
今は満州などといってもピンとこない方が多数派です。

日本は1932年に中国大陸東北部に満州国というかいらい国家を樹立しました。
1945年に日本は戦争に敗れ満州国も解体されました。

日本人は引き上げざるを得ない状況に追い込まれ残留孤児をはじめ悲劇を生み出しました。
今年亡くなった世界的指揮者の小澤征爾さんも引き上げ者です。

中国大陸に生まれた方々が中国に愛着を持つのは自然の成り行きです。
日中友好活動を支えました。

小早川さんは代表的な人物のひとりで青少年書画展を企画し10年継続しているのは特筆されます。
私も2013年に一緒に訪中し河南省の殷墟で開催された書画展をこの目で見てきました。

孫の書画を見にきた祖父の満面の笑みが忘れられません。
私も3人の孫を持つ年齢になりひとりがお習字が得意なので心情が理解できます。

小早川さんもお元気とはいえ80歳を超え働き盛りとは言えません。
小早川さんらの思いを継承する人財の育成が急務です。

西湘日中友好協会が還暦の60周年を迎えられるか正念場です。
行政や経済界も含め官民一体で取り組まないと厳しいと思います。