足柄の歴史再発見クラブ、渾身の出前授業スタート

2006年2月足柄の歴史再発見クラブが発足しました。
災害の歴史を学び防災まちづくりのお手伝いをするのが目標です。

2007年3月に『足柄歴史新聞 富士山と酒匂川』を刊行しました。
学校や地域に出向きました。

小学校での出前授業は最も力を注ぐ取り組みとなりました。
今年も昨日から始まり3回に分けて町内の小学4年生を対象に行います。


昨日は開成小学校で関口康弘会長、小林秀樹前会長、山北町議の高橋純子さんと私。
メンバー4人で酒匂川の災害史をわかりやすく伝えました。


小田原史談会の松島俊樹会長が見学に来られました。
J:COMの取材も入りました。

酒匂川は人工の川であることがポイントです。
江戸時代に入り小田原藩が乱れた流路をひとつにまとめました。

大工事であしがら平野一帯は穀倉地帯に生まれ変わりました。
戦乱の世から平和に時代に入った果実であると話しました。

1707年富士山の宝永噴火で一変しました。
噴火による砂が開成町でも60センチから40センチ堆積しました。

手作業で砂を取り除いたら大洪水が襲い流路が変わりました。
土手が修復されたのは噴火から19年後の1726年です。

川崎宿の名主だった田中休愚が活躍しました。
工事終了後に中国の治水神を祀り土手で祭りを始めました。

災害を忘れない仕掛けであるとともに土手を踏み固める効果も狙いました。
祭りは今も続いていますが苦難から立ち上がった歴史を思い返す催しです。


土手を人工的に切る「かすみ堤」を解説しました。
洪水時に遊水地として活用するための治水術です。

このローテクは今も活用されていることを話しました。
想定を超えた集中豪雨が頻発する現代こそ必要な技術です。

酒匂川の治水に話をしたのですが開成小学校も治水が必要でした。
雨漏りがひどいとのことでした。

幸い修復予算が付いたと伺いましたのでほっとしました。
2010年に開校した開成南小学校との施設の格差はなくすよう努めて欲しいです。