中島みゆきと谷川俊太郎

コロナで在宅時間が長くなり中島みゆきさんにはまりました。
深遠な歌詞と演歌の匂いがする歌声にしびれました。

中島さんの大学の卒論のテーマが谷川俊太郎さんだと知りました。
20日の日経新聞のコラムに書いてありました。

日本を代表する詩人の谷川さんの死は大きく報じられました。
朝日新聞は一面トップでした。

中島みゆきさんと谷川俊太郎さん。
詩の世界に門外漢の私にはふたりの共通性は妄想するしかありません。

中島さんの「最後の女神」。
あぁあれは最後の女神 まぎれもなく君を待っている
あぁ最後のロケットが 君を残し 地球を捨てても

谷川さんが作詞した「鉄腕アトム」。
空を越えて ラララ 星のかなた 行くぞアトム ジェットのかぎり
こころやさしい 科学の子 十万馬力だ 鉄腕アトム

「最後の女神」は2002年、鉄腕アトムは1963年の作品です。
ふたつの詩が二重写しに見えます。

さ迷える人を救う究極のヒロインとヒーローを描いてます。
明るい希望を信じている暖かで明るいまなざしを感じます。

デビュー前の中島さんが衝撃を受けた谷川さんの詩があるとのことです。
「私が歌う理由」です。

私が歌うわけは いっぴきの仔猫 すぶぬれで死んでゆく いっぴきの仔猫
私が歌うわけは 一滴の涙 くやしさといらだちの 一滴の涙

中島さんの歌詞には猫が時折出てきて不思議に思ってました。
「ただの心しか持たない やせた猫になっても」(「明日」より)

谷川さんの影響があると思いました。
猫はか弱きものの象徴と位置付けられています。

中島さんの名曲ファイト。
ファイト! 闘う君の唄を 闘わない奴らが笑うだろう
ファイト! 冷たい水の中を ふるえながらのぼっていけ

谷川さんの詩に触発されたのではないかと思えてなりません。
くやしさといらだちから這い上がる者へのエールです。

中島さんが敬愛してやまない谷川さんは亡き人となりました。
師への思いを込めた渾身の楽曲を世に問うて欲しいです。