石破総理は人生哲学で勝負を掛けたらどうか
西郷隆盛のことばで最も有名なのは「敬天愛人」です。
西郷自身も好んで揮毫(きごう)していたとのことです。
違和感を感じる方はそうそうとうに鋭敏な感覚の持ち主です。
「敬天愛人」は西郷が学問の道について語ったものです。
軍人であり政治家であった西郷が学問について語った言葉を好んだか不思議です。
『遺訓』の21。
道は天地自然の道なるゆゑ、講学の道は敬天愛人を目的とし(略)。
西郷は学問を大切にする文人政治家の本質を持ってました。
西郷の剛毅な顔写真からは想像しにくいかもしれませんが見逃してはなりません。
流刑地の沖永良部島での壮絶な暮らしの中で書物に向かう日々だったと言われます。
命がけで学ぶことにより得たものが「敬天愛人」という思想だったと思います。
それは幕末維新期を乗り越える基本的な構えとなりました。
もうひとつなぞがあります。
「軽天愛人」という言葉の由来です。
「愛人」は東洋というより西洋のキリスト教の考え方に明らかに近いです。
キリスト教思想が怒とうのように流入したのは明治維新になってからです。
当時の啓蒙書の中に「敬天愛人」との言葉があったとのことです。
西郷は学んできた東洋思想の視点から見てこの4文字が心に響いたのだと思います。
西郷の胆力を育んだのは不遇の時期の読書です。
そして体得した思想を「敬天愛人」という4文字に託しました。
流刑にこそされないまでも冷や飯を食べ続けた石破総理は読書好きと伝えられます。
西郷の「敬天愛人」に匹敵する人生哲学を国民に提起することに賭けたらどうでしょう。
外交マナーのまずさを指摘されたり首脳の集合写真撮影に間に合わなかったり。
石破総理は出足からつまづいてます。
日本国を泥船にしないためにも奮起が必要です。
読書で培った人生哲学を国民に訴え反転攻勢をかけるのはありです。
来年の通常国会の施政方針演説がチャンスです。
不遇から這い上がった総理らしく国民を喚起する演説を期待します。