足柄上地域もジオパークの仲間入りをしましょう。
神奈川県大井町の素晴らしい取り組みがあります。町全体を自然園と捉えて自然を学ぶ教室を展開しています。おおい自然園活動です。
園長は、元小学校校長の一寸木肇さんです。26日の土曜日、足柄の歴史再発見クラブの例会で一寸木さんを招き1時間弱講演していただきました。
このほど大井町山田の丘陵地帯にメガソーラー発電所ができました。その造成工事をしている時に地層が表出したので一寸木さんらが調査を行いました。
神奈川県立生命の星・地球博物館の学芸員にも参加してもらったということです。現地の地層は、5つの層に分かれていることが分りました。
20数万年前ののローム層から一番最近の300年前の富士山の噴火層までです。5重にきれいに重ねっているのではなく複雑な重なり方をしています。
軽い灰がまず最初に落下して徐々に重量が重くなる軽石が積み重なっていきます。この他に火砕流の発生で地層が変化します。年代の特定はパズルを解くようなものです。
素人が文章で表現するのは難しいのですが、それぞれの地層を分析してこれまでの研究成果と照らし合わせて年代を特定していきます。
一寸木さんは、地層をはぎ取って標本にしました。手作りです。布にボンドを染み込ませて地面に張り付けて乾かした後、表面をはぎ取ります。
地層の表面がどんな軽石や土でできているかがわかります。本格的にはぎ取るのは費用がかかるため手作りで行ったと話されていました。すごいですね。
一寸木さんの口から高校の地学は絶滅危惧種となってしまっているという言葉が発せられました。どうしたら火山学者や地震学者が育つのだろうかと心配されてました。
高校の科目として無視されつつあるようです。一寸木さんらは地学の面白さを何とか伝えたいということで活動を続けていられます。
現場を見てもらうのが一番だと話していられました。箱根と小田原、湯河原、真鶴が世界的な地質遺産だということで世界ジオパークから認定を受けました。
今月17日に箱根の大涌谷にジオパークミュージアウムができました。一寸木さんは足柄上地域もこうした動きに乗っていく必要があると言われてました。
丹沢ができたのが1500年前、箱根山が50万年前、富士山は10万年前です。地球の表面を覆っているプレートという岩盤がぶつかり合っている場所です。
足柄上地域も含めて県西部地域全体が世界的な地質遺産であるし、その地域の真っただ中を走る御殿場線はジオパーク列車だと強調してました。
新鮮な響きを感じました。小田原の曽我から大井、松田と続く丘陵地帯は活断層です。学んで災害に備え、観光資源にも役立てることができます。