超人手不足時代の地方創生を考える

先月29日の石破総理の所信表明演説。
かなりの分量を地方創生に充て表題は「地方創生2.0」でした。

次元の違う取り組みをしたいとの意欲は伝わりましたがタイトルは古めかしいです。
地方創生は日本経済の再生の手段という視点も強調してました。

熊本の地域経済が台湾の半導体メーカーのTSMCの進出で活気づいています。
国家主導で熊本の成功実例を日本各地に広めたいのだと思います。

世界から投資を呼び込む発想は理解します。
しかし大規模プロジェクトは一朝一夕にはいきません。

夢を追いかけている間に地方の危機は深刻になります。
大都市部においても人手不足が騒がれているのに地方はもっと深刻です。

先日秦野市で立民党の衆院議員の佐々木ナオミさんの国政報告会がありました。
参加した建設業界の重鎮の方から秦野で100人いた大工さんが今は15人と聞きました。

開発用地を草刈りするのは大半が高齢者、つるはしを扱う作業員も激減とのことです。
パソコンは扱うが肉体労働は避ける現状から地方の建設業界の先行きに不安を抱えてました。

人がいないという現実はいざという災害時に端的に表れます。
災害マニュアルでは自助・共助・公助と言われますが自助は年を取ればままなりません。

共助は地域社会が細ってますので力が弱まってます。
結局公助が頼りとなるのですが行政職員が全てをカバーできるはずはないのです。

防災庁を立ち上げ専門的知識を持った人材でカバーするという発想だけでは回りません。
人手が足らない中で地域防災をどう組み立てるか再検討がかかせません。

地方への交付金を増額すれば済む話ではないことは明らかです。
お金を積んだら自動的に人手が増えるなどあり得ません。

人口減少による人手不足はこれまでの地方政策を無力化させるリスクがあります。
地方創生の原点に立ち返って考え直す時期に来てます。

防災まちづくりの再点検が第一歩になります。
安全は地方創生の土台をなすからです。