かすみ堤を学ぶ
足柄の歴史再発見クラブの仕事納めは出前授業でした。
昨日開成南小学校4年生109人と一緒に地域の母なる川酒匂川の現地見学をしました。
青い空を背に黄色に色づいたイチョウがまぶしかったです。
富士山もくっきりと姿を見せていました。
学習テーマは「かすみ堤」でメンバー5人で対応しました。
土手を人工的に切って増水時に一時的な遊水地にする治水技術です。
江戸時代には一般的でした。
当時の酒匂川の河川図には無数と言って良いほどのかすみ堤が画かれています。
かすみ堤、まだまだ知られてません。
なぜ土手が切れているのと疑問を持っている方大ぜいます。
明治になり近代治水技術の導入とともにかすみ堤は姿を消したからです。
堤防はコンクリートで補強しつながっているのが常識となりました。
酒匂川には3か所かすみ堤が残っていて一か所が開成町にあります。
古い治水技術のかすみ堤が現在でも有効であることを説明しました。
想定を超える大雨で極端に増水することがあります。
2010年9月にあった実際の体験を話しました。
酒匂川の上流部で時間雨量100ミリの記録的な集中豪雨がありました。
台風9号によるものです。
稲刈り前の稲が水没する深さまで水がたまりました。
徐々に水位が上がり徐々に水位が低下するため稲は全く倒れませんでした。
かすみ堤内の微妙な高低差による効果です。
この説明には児童だけでなく先生方も驚いた様子でした。
かすみ堤の技術は集中豪雨時代の今もう一度見つめ直す必要があります。
かすみ堤の大切さをもっと発信していきます。
最後はメンバーでソプラノ歌手のは橋本京子さんの歌で締めくくりです。
もはや定番です。
児童に土手を登るよう促しました。
石の凸凹があり上手く上り下りできない児童がけっこういました。
外で遊ぶ機会が減っているからだと直感しました。
コロナがそうした傾向を強めたということです。
外で遊ぶ機会を提供する必要があります。
教育の新たな課題です。