真実を語ることが夢の実現の近道
石破総理が年頭記者会見で“楽しい日本”をと述べました。
夢を語れば語るほど夢から遠ざかる気がしてなりません。
総理に今呼びかけて欲しいのは危機に直面する日本の真実です。
立ちはだかる危機を乗り越えるには相当の我慢が必要です。
1894年から95年の日清戦争で日本は勝利して中国の遼東半島を領土としました。
ロシア、ドイツ、フランスが下関条約に異議申し立てをし領土破棄を強要しました。
いわゆる3国干渉です。
中国への南下政策をとっていたロシアの力の外交に屈しました。
この時に叫ばれたスローガンは「臥薪嘗胆(がしんしょうたん)」でした。
今は耐えるしかないというメッセージです。
現在の日本は明治の日本以上ににっちもさっちもいかない苦難が待ち受けています。
人口が減り国家が衰退する中で国際情勢は緊迫の度を強める一方だからです。
明治の日本は貧しかったですが国民に忍耐力がありました。
現代日本に歯をくいしばって痛みに耐える気概があるかひどく心配です。
物価高を始め当面の国民の苦境を緩和する措置は政治の役目として当然です。
ただし大盤振る舞いばかりをし続ければ国家財政は破綻します。
人口減少・少子高齢化で医療年金福祉の仕組みが揺らいでいるのは自明のことです。
国際軍事情勢が険しくなり防衛費増が既に前提となってます。
どうやって国家を運営して行けばよいか綱渡り状態です。
危機に直面している真実を語るのが総理の役割だと確信します。
夏の参院選を控えバラ色の夢を語る方が得策だという意見は当然あります。
国民に希望を抱かせて済む時代は過去の物語です。
危機はより深刻になってます。
愚直に立ち向かう姿勢を示すことが信頼を勝ち取る道だと思います。
政権政党と野党との責任感の違いを際立たせることになります。
国民の良識を信じ危機を問いかけて欲しいです。
深刻な危機を誠心誠意伝えないとこの先さらなる苦境に陥ります。
”楽しい国”の実現は遠のくばかりです。