大井町の常不軽菩薩(じょうふきょうぼさつ)のお話し
(写真は、ブルーべりガーデン旭のホームページより)
大井町の里山で自然農法のブルーベリー園を経営している小宮真一郎さん、昨日が誕生日でした。宗教、とりわけ仏教に対する関心が深い青年です。
フェイスブックで誕生日のメッセージを送りました。返ってきた返事に「石を投げられても すべてのひとを 尊敬した 先輩のように なりたいですね!!」とありました。
法華経を学んでいられる方は、この返事を見て「常不軽菩薩」のことだとピンとくると思います。宮沢賢治が「雨ニモマケズ風ニモマケズ」のモデルにした菩薩です。
私はびっくりしました。ちょうど分厚い法華経の解説本を図書館から借りて「常不軽菩薩」」の章がどういった意味なのか調べていたところでした。偶然の一致です。
常不軽菩薩は、修業時代、どこかしことなく人々に「私はあなたを軽んじることはありません。あなた方は将来菩薩となられる方々ですから。」と言い続けました。
人々からは理解されず馬鹿にされ石を投げられました。それでもひたすら同じ言葉を言い続け、ついに悟りを得て菩薩となりさげすんだ人たちを救済しました。
この菩薩こそのちのちに仏教を開いたお釈迦様だという物語です。お釈迦様の領域に達する人は修業時代もやることが違います。感じるところが大きいです。
とにかく誕生日を迎えた小宮さんの目標は決して他人と争うことなく他人を尊敬して生きることです。ご本人もなかなかできることではないとコメントしていました。
しかし、小宮さんが怒ったところを見たことがありません。小宮さんは、雰囲気がぎすぎすするような場に居合わせると静かに沈黙します。
争いが収まるようにと祈っているのでしょうか。うかがい知れませんが争いの輪に加わることは決してありません。私はずっと不思議に思っていました。
小宮さんの生き方の背景には仏教の哲学が色濃くあって争わない、怒らないという態度が身についているのだと思いました。人格的な魅力を感じます。
私より20歳ほど年齢は下です。でも生き方は、学ぶところ大ありです。大井町の常不軽菩薩にいずれなる存在です。更に修業を積めばお釈迦様の領域に達するでしょう。