放送100年、NHKの危機

今年はラジオ放送開始100年。
NHKは危機を迎えていると感じます。

NHKのかつての先輩や同僚、後輩から年賀状が届きます。
現役の経営幹部の方から公共放送の使命を果たすためご意見をと添え書きがありました。

政治報道をめぐり耳の痛い意見を伝えることがあるからです。
報道が評論で突っ込みが弱いと感じることがしばしばあります。

昨年の衆院選でも世論調査あって取材なしというありさまでした。
調査が外れれば報道が的外れになるに決まってます。

取材力が全般に落ちていると見てます。
原因は取材もネットに依存して足で稼ぐ取材が足らなくなていることだと思います。

選挙に例えればどぶ板活動が不足しているのです。
取材の原点がおろそかになってます。

NHKの報道の質がSNSと差異がないなら存在意義はありません。
選挙報道をめぐり議論が起こっている今報道の総点検を願いたいです。

NHKの真骨頂は特別番組の質と量にあると思います。
民放各局を圧倒しています。

昨年末に放送されたNHKスペシャル「量子もつれ」はまれに見る番組でした。
量子レベルの振る舞いの不思議さをわかりやすく伝えていました。

テレパシーやテレポーテーション。
SFの世界の話だと思っていた現象が現実に起こりうるとの話にはわくわくさせられました。

気がかりなのはこうした優れた新作の特別番組が減少してます。
NHKBSは良質な特集番組の宝庫でしたが今は再放送番組のオンパレードです。

いくら優れた番組でも過去のものは過去のものです。
由々しき事態です。

財政面の制約も人員不足も当然あるでしょう。
働き方改革の影響もあって時間をかけての番組制作ができないのだと思います。

ますます良質な特集番組は数を減らすことになりそうです。
数々の良質な特集番組を世に問うてきたのがNHKの伝統が揺らいでいるのです。

もはや放送100年は祝賀の年ではないことは明らかです。
NHKの報道と番組双方が危機に瀕してます。