箱根へ抜けるトンネル道路建設の課題

2000年代初めは足柄地域でもローカル新聞がありました。
そのひとつ「自治新報」にコラムを連載させてもらってました。

2002年9月3日号、タイトルは「道と足柄平野」でした。
当時開成町の最大の懸案は企業誘致です。

東名高速大井松田インターへのアクセスを良くしないと訴えていました。
神奈川県も良く理解してくれ新たな橋の建設につながりました。

もうひとつは観光振興と道路です。
箱根へと抜ける幹線道路を建設する必要があると力説してます。

山肌を削るのではなくトンネル建設を求めています。
災害対応を考慮してのことです。

「リダンダンシー」という考え方があります。
直訳すれば冗長性です。

災害時に補完できる道路をあらかじめ建設しておくことです。
東名高速や国道1号線が通行できなくなった場合を考えればわかります。

箱根山のどこかに災害に強い道路を一本造っておかないと対応できません。
神奈川県と静岡県、関係市町がまとまって国土交通省に働きかける課題です。

2021年南足柄市矢倉沢と箱根仙石原を結ぶ「箱根金太郎ライン」が開通しました。
10.9キロの林道を拡幅したもので東名高速などが渋滞時の抜け道として利用できます。

貨物重量やバス定員の通行制限があって災害時の代替道路としては全く不十分です。
トンネルではありませんので富士山が噴火した場合の降灰も防げません。

南足柄市は14日小山町とトンネル建設に向けて期成同盟会を発足させると発表しました。
唐突感があります。

富士・箱根という世界の観光地を舞台にした観光立国ともかかわります。
富士山噴火などの大災害時の緊急対応と密接不可分です。

2市町だけで突き進むことが国策立案にプラスかどうかは疑問です。
小田原市も箱根町も裾野市も入らずして陳情活動したところで説得力がありません。

トンネル建設は自然環境の破壊につながるとの懸念も当然出ます。
議論を重ね地域全体の合意形成を進めることが何より重要です。