日中国交正常化の礎を築いた岡崎嘉平太さんの生き様に魂が揺さぶられました。

(写真は、NHKスペシャルホームページより)

今月10日は、日中歴史文化交流センターの設立総会です。横浜の県民センターで午後5時から開き、終了後、懇親会を予定してます。

昨日の午前中、集会の準備のため関係資料を整理しました。1枚のDVDが出てきました。「NHKスペシャル、命をかけた日中友好 岡崎嘉平太」でした。

2007年3月放送です。私は、放送を見ています。岡崎嘉平太さんの様々な妨害に屈せずに日中国交正常化に向けて民間人として行動する姿に感動しました。

岡崎さんの親族にお会いした際にこの話を伝えたところご厚意でDVDを贈っていただきました。時間がありましたので再び見てみました。

涙があふれ出ました。岡崎さんは元日銀出身で中国大陸で勤務、戦後は、民間企業の経営者に転じ企業の再生に取り組みました。全日空の会長も務められました。

1972年の日中国交正常化に遡ること10年の時代のことです。民間の立場から中国との貿易を再開させて経済界から国交正常化の礎を作りました。

中国側のカウンターパートは周恩来首相でした。岡崎さんとは本当に肝胆相照らす信頼関係に貫かれたものでした。この両者の関係が日中正常化を進めました。

中国との関係を深めることについては激しい反対もありました。台湾との関係を重視する勢力も根強かったことは言うまでもありません。

そうした取り巻く環境でも岡崎さんの信念は揺らぎませんでした。中国に対して日中戦争で多大なる苦難を負わせたことへの痛切な反省があったと私は思います。

中国訪問回数100回です。その中に1972年の9月29日の田中角栄首相の中国訪問の前日の訪中がありました。田中総理は日中国交正常化調印のために訪中です。

周恩来首相が田中総理の訪中団のリストの中に岡崎さんの名前がないのに気付き周恩来首相が急きょ岡崎さんの訪中を要請しました。

周恩来首相は、国交正常化に向けて岡崎さんの果たした役割を知り尽くしていましたので岡崎さんのための歓迎食事会を催しました。二人でテーブルを囲みました。

岡崎さんの人生のモットーは、「信は縦糸、愛は横糸」です。周恩来首相との関係は岡崎さんのモットーを象徴する関係であることがわかります。

飲水思源(いんすいしげん)という言葉があります。水を飲むときは井戸を掘ってくれた人のことを忘れてはならないという中国の格言です。

岡崎さんのような方々のたゆまぬ努力があって日中国交正常化が成し遂げられたことを忘れてはなりません。今日の中国との関係の険悪化を深く憂いました。