足柄地域の日本オオカミはなぜ消えた
NHKEテレの3か月でマスターシリーズ。
大河ドラマ「べらぼう」が描く江戸時代を扱ってます。
江戸時代に対する色眼鏡を外す狙いがあります。
先週は5代将軍徳川綱吉を取り上げていました。
かの犬公方、生類憐みの令の綱吉ですが驚いたことがありました。
大切にする生き物のひとつに「狼」も入っていました。
江戸時代の中期はオオカミは普通に見られる存在だったのです。
オオカミを追い詰めるようなことを禁じたということはそういうことです。
「生類憐みの令の動物観」という論文をネットで見つけました。
立正大学のふたりの研究者が2019年に発表したものです。
オオカミは、イノシシ、シカ、クマと一緒に分類されていました。
まれな動物ではないということです。
これらの動物が人に害を与えることは認識していたようです。
追い払うことを基本とし理由なく銃を撃ったら厳しく罰すとなっていました。
生類憐みの令は1709年1月に綱吉が死亡すると直ちに廃止されました。
悪法でも将軍には逆らえなかったことがわかります。
廃止から28年後の1737年4月南足柄市内の山中にオオカミが現れました。
足柄の歴史再発見クラブの関口会長が古文書に基づいて紹介してくれました。
南足柄市内の名主だった家に残っていた史料です。
怒田原という丘にオオカミが出現し馬にかみつき食いちぎったとなってます。
オオカミは逃げ出した馬を追い回し今の開成町にまできたとのことです。
開成町の馬小屋にも侵入したとの記述もあります。
村人は開成町内にあった代官所に報告しました。
一定のお見舞金が支給されたとなってます。
300年前にはオオカミの被害があり里まで下りて来ていたことになります。
今は絶滅してます。
300年間の間に足柄地域で何があったのか不明です。
郷土史研究者の奮起を促したいです。
野生動物との間合いの取り方が喫緊の課題となってます。
オオカミ絶滅までの経緯を知ることはその手掛かりとなります。