天皇誕生日のお言葉に思うこと

23日は2重におめでたい日です。
天皇誕生日は富士山の日でもありました。

陛下は戦後80年について語られました。
平和の尊さを心に刻み平和への思いを新たにする機会にするとの決意を述べられました。

8月15日は終戦の日か敗戦の日かどちらでしょうか。
終戦とする考えの背景には未来志向の発想が伺えます。

過ぎ去った過去にこだわらず前を見れば良いという態度です。
この切り替えの素早さが戦後日本の高度成長の原動力だったと思います。

こうした潮流に乗った典型的な日本のリーダーは田中角栄元総理です。
たくましさとともにあまりの転換の速さに危うさも感じてしまいます。

突進型の田中さんはロッキード事件に沈みました。
一方で敗戦から80年と捉える考え方もあります。

代表的リーダーが大平正芳元総理です。
言動には戦前の軍部独裁の暗い過去を目の当たりにした反省がにじみ出ていました。

官僚として戦前の中国に駐在経験があります。
麻薬が横行する中国社会の中で手を汚す日本の姿を見てきました。

中国に対し罪を償う気持ちが心に刻まれたのは間違いありません。
未来志向の田中さんと過去の反省に思い入れがある大平さんは盟友関係を築きました。

1972年ふたりは日中国交正常化を成し遂げました。
田中さんの果断さを活かしたのは大平さんの過去を反省する誠実な態度だと私は見てます。

近年の日中の力関係の変化は国交正常化を果たした精神を脇に押しやってます。
弱体化した日本は過去の歴史を語らず強大な国家となった中国は対日姿勢を厳しくしてます。

国交正常化後最も厳しい環境にあるといって良いです。
戦後80年の国会決議をこじれた日中関係を修正するチャンスと捉えるべきだと思います。

強権中国と堂々と向き合うには過去に真しに向き合う態度が不可欠です。
そこを逃げたら突かれるだけです。

天皇陛下のお言葉にあるようにすべては平和のためです。
日本の誠実さが世界に伝わる国会決議を期待します。