日中関係、依然として波高しでも希望は捨てません。

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昨日、横浜駅西口にある「かながわ県民センター」で日中歴史文化交流センターの初めての総会を開きました。出発時の会員26人で18人の参加でした。

神奈川に残る中国の文化遺跡の探訪などを通じて県内の日中関係団体の連携を強めて行くことを当面の目標として活動をすることで一致しました。

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会の顧問になっていただいた日中協会理事長の白西紳一郎さんが講演をして下さいました。日中協会は1975年設立の日中友好を目指す老舗の団体の一つです。

白西さんは設立当初から関わり、これまでの中国訪問回数は600回だということです。現在70歳前半、60年近くの中国とお付き合いです。

「生まれも中国」と言われてました。私が怪訝な顔をしていると「日本の中国地方の広島県生まれです。」とにこやかに話していられました。

白西さんは日中協会会長で自民党アジアアフリカ議員連盟の会長でもある野田毅衆議院議員らと中国訪問し、帰国された直後に我々の会に顔を出して下さいました。

白西さんの結論は日中関係は依然として厳しい局面にあるということでした。自民党の高村副総裁や野田毅衆議院議員が相次いで訪中しているにも関わらずです。

尖閣諸島の問題や安倍総理の靖国神社参拝の影響が残っていて基本的な問題解決には程遠い状況ですので現状では打開の道筋は立っていないということでした。

白西さんは、田中・大平両氏と周恩来首相の知恵に学び、領土問題を棚上げして共同開発、共同管理へと進むべきだという立場ですが国内世論的には少数派です。

日中両国の首脳の間に全幅の信頼関係がなければもはや棚上げは困難です。安倍政権の姿勢からすると白西路線をとる選択の可能性はゼロです。

総会後の懇談会で中国の南沙諸島をめぐる中国の動きは、あの海域をアメリカの原子力潜水艦が抑えるのかそれとも中国かというせめぎあいがあると話してました。

文字通り深い深海でアメリカと中国との間でつばぜり合いが演じられており、表面的にはアセアンと中国の対立という風に表に出てきているということになります。

米中関係と日中関係が絡み合いながら日本を取り巻く情勢は一段と厳しくなっています。日本は、アメリカに軸足を置き対中国敵視というスタンスで対処しています。

白西さんは、アメリカは、尖閣諸島の領有権の問題については中立的な立場を崩していないことを強調してました。梯子を外される危険性を指摘したということです。

白西さんの話をうかがいながら、日中和解ははるか彼方だと改めて痛感しました。万が一の武力衝突だってありうると思えてなりませんでした。

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しかし、希望を捨てません。民間の極めてささやかな動きとはいえ日中間の歴史と文化を見つめ直すことを通じて共通項を見出し平和の礎を作るよう努めます。