環境シンポジウム報告


杜の財団と風土再生学会の環境シンポジウムが小田原でありました。
全国から関係者を入れると60人ほど集まり熱い会議となりました。

財団は一昨年の暮れ、学会は昨年8月、ともに出来立てです。
9月に東京、12月に京都、そして今月小田原と立て続けにシンポジウムを開催してます。


活動を率いる園芸家の矢野智徳さんの使命感とその思いに共鳴する人たちの熱量のたまものです。
乱れた日本の環境を独自の考え方で再生させると確信をもって活動されてます。

矢野さんの手法は「脈」を見い出してその脈に沿って空気と水の流れを創り出すことが全てです。
コンクリートを使って水をせき止める現代の手法とは全く異なります。

空気と水の流れを再生させれば土もよみがえり樹木も活力を取り戻すと言います。
目に見えないものを説明するのは現代科学が最も苦手とする分野です。

一歩間違えばオカルトめいた話にされてしまいます。
そうさせないために学会が立ち上がったのですが科学的な裏付けは道半ばです。

矢野さんと懇談していてこの方は縄文人ではないかと思いました。
森を駆け巡り生活していた時代は矢野さんのような能力を持っていたのだと思います。

科学の発展とともにそうした能力はさび付きました。
万能のはずの科学では対処できない自然現象に見舞われ続け再び光が当たりました。

矢野手法はドキュメンタリー映画「杜人」となっているほか全国で講座が開催されてます。
理解を進めるには小さな実践を積み重ねるしかないと思います。

小田原のシンポジウムは地域との結びつきも視野に入れて開催したところに特徴があります。
鈴廣かまぼこの鈴木博晶社長と私がゲストに呼ばれました。


鈴木さんが小田原の海岸の荒廃について語りました。
ダムや取水せきによって川の流れが止められ砂がつくられないためです。


矢野さんはダムやせきの向きを変え自然の流れを取り戻せば修正できると話していました。
実践の手法を詳しく聞きたいです。