開成町とスマート農業
26日東京大学農学部150周年記念シンポジウムがありました。
テーマは「日本型ネイチャーポジティブ」でした。
環境省によればネイチャーポジティブは「自然再興」と訳されてます。
生物多様性の損失を食い止め回復軌道に乗せると解説されてます。
「日本型」と冠がついているのが重要です。
風土によって対応に大きな差が出るのは当然だからです。
埼玉県三芳町の林伊佐雄町長がパネリストで登壇してました。
三芳町はユネスコの世界農業遺産に認定されているとのことです。
住まいと畑と平地の林の3つを一つのまとまりとして捉えた農法が今も行われてます。
林から出る落ち葉を活用してたい肥化して様々な農作物を栽培してます。
都心から30キロ圏内であるにもかかわらず自然と折り合った形の農業が持続してます。
多種多様な昆虫や植物など生物多様性を育んでいるのが評価されました。
林町長の話を伺っていて開成町のあじさいの里の景色が浮かんできました。
人工的に作った空間ですが日本型ネイチャーポジティブの観点から一工夫できます。
有機農法の取り組みを進めて多様性を取り戻す方向性が必要だと思います。
高齢化が進んでいる中でどう進めるか本格的な検討が不可欠です。
若い力が必要です。
シンポジウムでも様々なスマート農業に取り組んでいる若者が多く登壇してました。
アイガモロボットを開発した中村哲也さんの話が印象に残りました。
このロボットは自動で水田の草刈りをするロボットで大好評だということです。
開発を進めた原動力はやるしかないという気持ちだと答えていました。
世の中を変えるのは理屈ではなく使命感だと改めて思いました。
スマート農業というと垢ぬけた印象を持ちますが逆です。
泥臭く挑戦するからスマート農業が成立します。
平地で野生動物の被害もさほどない開成町はスマート農業の適地だと思いました。
最先端技術であじさいの里の生物多様性が取り戻せるとしたら将来世代に胸を張れます。