日本創生会議の896自治体消滅論を乗り越えよう。

昨日は、神奈川大学の講義の日でした。予定を変更して日本創生会議の人口減少問題検討分科会の示した896自治体消滅論について話しました。

これまで政策過程論においては、開成町の町づくりの発想について、地域政治論においては開成町の町づくりが周囲に与えた影響を話してきました。

しかし、こうした過去の話をいくら積み重ねたところで896自治体が消滅の危険性を迎えているとまで言い切る議論が出てきてしまっては再検討が必要です。

日本創生会議が危機的だと述べている状況に対し開成町の成功実例が問題解決にどのような効果をもたらすのかを語らないと意味がありません。

また開成町は消滅しなくても周囲の市町が危機に瀕すれば開成町も生き延びることは不可能です。開成町を含む地域の大問題でもあります。

昨日の講義では、若い学生たちがちょうど働き盛りになる2040年に消滅の危機を迎えるという議論が問題適されたのだから自らの問題だと考えて欲しいと呼びかけました。

消滅する危険性があるとされた東北地方の市から神奈川に来ている学生もいました。ふるさとが無くなるぞと言われているのだから真剣に考える必要があると述べました。

慌てふためいて大騒ぎしろと言っているのではありません。むしろ逆に将来のある若者が長期的な視点で人口減少の問題を捉えて知恵を絞って欲しいです。

開成町の半世紀の町づくりはやはり参考になります。一般的な市町村の動向とは別に土地計画を徹底して目先の利益を追求するのではなく長期展望を優先しました。

人口減少問題も手品のように一気呵成に解決というわけには行きません。少なくとも50年スパンで考える発想に立って徐々に解決していくしかありません。

人口が減少する流れは止められません。どのようにソフトランディングするかが大切です。やり様によってはむしろ理想の社会へ近づけると思えてなりません。

日本創生会議のショッキングな分析は、冷静に受け止めるのならば日本のこれからの針路を考え新たな国の姿を示して行くことを考える絶好の機会だと思います。

若い大学生たちと一緒に考えて行き、日本創生会議に逆提案できるよう議論を深めていきたいです。今年度いっぱいの新たな目標ができました。