1970年から2025年へ、55年の歳月がもたらしたもの

1970年中学3年生だった私は修学旅行で大阪万博を訪れました。
岡本太郎さんの太陽の塔、鮮烈に記憶に残ってます。

14日放送のNHKBSアナザーストーリーで岡本さん太陽の党にかける思いを知りました。
科学技術の発展の背後に潜む悪を鋭く問いかけていました。

具体的には核兵器です。
広島、長崎を体験した日本人として世界への問いかけだと思いました。

メイン会場の屋根を突き破ってそびえていた異様な姿は万博公園に残されています。
核兵器廃絶とは逆行している現状に対し岡本太郎さんの問いかける声は大きくなってます。

昨日開幕した大阪・関西万博の目玉建築は木造のリング状の建物です。
大屋根リングと呼ばれ1周2キロです。

報道によれば建物のをリングの中に配置し多様性の中の調和を表現したとのことです。
多様性と調和はいうまでもなく現代社会が追求しなけrばならない一大課題です。

前売りチケット販売目標1400万枚に対し1100万枚とのことです。
今ひとつ盛り上がりに欠けるのは万博を象徴する建築物にも表れてます。

55年前は科学技術の発展に人類はバラ色の夢を描いていました。
そこに岡本太郎さんは一撃をくらわしたわけです。

常識に対する挑戦です。
勢いのある時代は異端にも寛容でわかりやすいです。

今は社会の矛盾は深まる一方ですが鮮烈に表現するのではなくオブラートに包みます。
木造の柔和さはあってももどかしさが残り時代の雰囲気を象徴しています。

科学技術に対する信頼の度合いが低下していることも不人気の要因だと思います。
人工知能が果たして人間を本当に幸せにしてくれるの確信はありません。

ロケットに乗って宇宙への旅が現実のものになろうとしています。
その一方で戦乱で住む家を追われ貧困にあえぐ難民たちがいます。

科学技術は問題を解決していないどころか矛盾を深めているといえます。
万博という一過性の麻薬効果にすがって良いのかとの感情が湧き出るのは自然です。