トップが評論家では改革はできない

日本郵政の増田寛也社長が6月退任することを発表しました。
不祥事に揺れる中で社長に就任し不祥事の中で社長の座を降ります。

日本郵政は、特定郵便局を束ねる会社です。
小泉純一郎総理でも改革には手を焼きました。

極めつけの剛腕の持ち主でなければ成果は挙げられません。
増田社長は元建設官僚で元岩手県知事、スマートなエリート官僚です。

平時に当たり障りなく運営することはできても組織の破壊と再生向きではありません。
社長就任には菅元総理の意向が働いたのは間違いありません。

菅元総理は増田社長に負い目があります。
2016年東京都知事選に担ぎ出し大敗させてしまったからです。

借りを返す意味もあって白羽の矢を立てたとにらんでます。
菅元総理の判断が成果を上げられないままの増田社長の退任につながりました。

エリート官僚にありがちですが増田社長の態度はどこか他人事です。
泥まみれになって悪戦苦闘する雰囲気はうかがえません。

こうしたスタイルが規律の乱れを止められなかった最大の理由だと思います。
適材適所でなかったのです。

下請け会社に高額の違約金を課したりゆうちょ銀行のデータを簡保生命の営業に使ったり。
法人としてあるまじき不祥事を重ねていました。

増田社長は何食わぬ顔で評論家的な活動を続けていました。
人口減少問題に警告を発していた民間の令和臨調や財務省の財政制度審議会です。

高説を述べる前に自分の会社を何とかするのが先です。
自らの頭のハエを追えずに国家に提言するなんておこがましいと思います。

平然とできるのがスマートタイプの官僚の真骨頂だと考えるしかありません。
野武士タイプの官僚でしたら評論家との二足の草鞋は履かず経営者の職務にまい進するはずです。

改革が史上命題の組織に評論家のトップは障害になります。
日本郵政の顛末は典型例です。

トランプショックで揺れる日本はあらゆる組織で改革が必要です。
実践型のトップでないと切り抜けられません。

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