県政史上初めてのプレゼンテーション大会見聞記

本庁舎

(写真は、神奈川県庁 県ホームページより)

昨日、午後6時から8時半まで神奈川県庁の大講堂で市町村長らが参加して町づくりの提案を競うプレゼンテーションがありました。

冒頭あいさつに立った黒岩知事が「1億円の分捕り合戦」とズバッと言い切っていました。大枠の予算を付けたので優れた提案に優先的に配分するということです。

テーマは、新たな観光振興、県西部の活性化でした。参加したのは16市町村です。三浦市、松田町、山北町、開成町は首長自らが説明者となって熱弁を振るいました。

県知事を始め県の幹部と「新たな観光の核づくりアドバイザリー委員会」のメンバーが意見を聞き必要に応じて質問をする形で進みました。

県と市町村の予算をめぐるやり取りは、合同会議で一方的に県に陳情する形でした。テーマをしぼってプレゼンテーションを行うのは極めて斬新です。

一歩間違えば市町村長を呼びつけて県知事自ら査定するのかと文句を言われそうです。密室でなく公開の場で堂々とやった方が話が早いという割り切りでしょう。

黒岩知事の発案ということです。新たな方式に挑戦したことは大いに評価します。しかし、16市町村で時間が短すぎます。長くて15分、短いと7分です。

各市町村、画像を使って説明していましたが、時間配分を間違えて途中で終わってしまって残念がっていた市町村もありました。

それでもわかりやすく説明することに全力を挙げることで職員も首長も鍛錬されます。知事を始め聴く側も熱意が伝わりますので真剣になります。

女性職員が説明者として活躍してました。伊勢原市と中井町の女性職員、相当に練習を積んで参加していたのがわかりました。湯河原町は相当のやり手だと思いました。

小田原市は片浦みかんなどの再生事業に取り組んでいる民間団体、小田原柑橘クラブの代表が市と一緒にプレゼンテーションしていました。

このままでは農業が立ち行かなくなり片浦地域が消滅してしまうと危機感をしっかり伝えていました。最も大切な指摘を民間団体が問題提起してました。

プレゼンテーションをした市町村は総じて人口減少に苦悩しているところが多いです。どこも観光を通じて交流人口を増やすことに狙いを定めています。

それと黒岩知事が提唱している未病対策というか健康づくりをかませて独自性を出そうとしていました。ただ、これで活性化すると確信を持てるまでには至りませんでした。

原則として各市町村それぞれの提案で地域としてのまとまりに欠けていました。もう一つは、観光で農林水産業がどこまで活性化するか見えませんでした。

企業を巻き込んだ産業化の提案が目立ちませんでした。例えば未病を健康づくりとして捉えるだけでなく企業とタイアップした産業政策として見る見方も不可欠です。

黒岩知事が仕掛けたプレゼンテーションです。花火は上がりました。これを具体にどのように活性化に結び付けるか県の指導力も大いに問われます。

 

 

新たな予算査定のやり方だと