理想主義者の石破総理はいつまで耐えられるか

中島みゆきさんの「世情」の冒頭の一節。
「世の中いつも変っているから 頑固者だけが悲しい思いをする」

理想にこだわり挫折した学生運動の若者たちを表現してます。
世情が変わると理想主義者は取り残され悲哀を味わいます。

中島さんの世界観は政治の世界でより顕著にあわられます。
政治は妥協の連続ですので理想主義者は孤高です。

ところが時代がめぐり出番が突如来ることがあります。
傍流の理想主義者が時代の顔に担ぎ上げられるのです。

石破総理の誕生はまさにこうした政治ドラマでした。
ただ総理の座を射止めたとたんに石破総理が理想主義者をかなぐり捨てたのは意外でした。

石破政権の唯一の成果は予算を年度内成立させたことです。
理想の追求ではなく維新との妥協で成し遂げました。

4月からはトランプ関税の対応が最大の課題となりました。
消費税の減税への対応も待ったなしです。

トランプ関税も消費税減税もどう妥協するかで理想の追求ではありえません。
理想の追求を信条として政治家人生を歩んできた石破総理にとって厳しい局面の連続です。

総理の座にとどまる意味を見失ってしまう恐れが出ていると思います。
理想なしの理想主義者は干からびて行かざるを得ません。

参院選は国民民主のひとり勝ちと見て間違いないでしょう。
立民がどのくらい踏ん張れるかとれいわがどこまで伸びるかが次の焦点です。

自民は負け方がどの程度かが最大の関心事で党勢を伸ばす選挙ではありません。
石破総理はババを引く役目に見えます。

石破総理誕生を演出した岸田前総理が国民民主党の玉木代表を総理候補と発言しました。
世論を聞く限りと一般論を装いながらも他党の党首の名を総理候補の名に挙げるのは異様です。

政局の匂いがぷんぷんしてきました。
参院選挙後が動き出し始めてます。

理想主義者の石破総理は誇りを保てる孤高には慣れっこです。
しかし裸の王様の孤独がもたらす悲哀は別の感情ですのでどこまで持つかわかりません。