日中友好を求める人たちの正念場の時代です。
(画像は尖閣諸島 ウィキペディアより)
集団的自衛権を認めようという動きは安倍総理が展開している積極的平和主義の基礎を作るものです。万が一の時はアメリカと一緒に戦争できる証です。
その標的は言うまでもなく中国です。北朝鮮のミサイル云々で騒いでいますけれども北朝鮮はあくまでも理屈の一つで本音は中国包囲網だと思います。
確かに中国の動向は不穏です。南洋に沖縄近海にと力を誇示しています。だからと言ってアメリカと手を組んで戦える条件整備をすれば良いのかという問題があります。
そもそもアメリの力が弱まっています。世界の中で一強の地位は完全に揺らいでいることは各地の紛争を抑えられないことから見ても明々白々です。
一方中国は内部矛盾は相当に抱えているにせよ経済の発展の可能性はまだあると見るのが常識的です。日本はアメリカ一強時代の幻想に惑わされてはなりません。
弱体化したアメリカが戦略的な互恵関係とか言っていつ中国と手を組むかわかりません。かつてのキッシンジャーの米中和解と同じように梯子を外される恐れはあります。
アメリカが梯子を外す理由となる火種を安倍政権は抱えています。アメリカとの戦争に負けたことを本当は否定したいわけですので本質的な矛盾があります。
安倍総理を支援する勢力の中には、アメリカが主導した戦後の国際秩序であるサンフランシスコ体制を否定し、東京裁判の不当性を訴えている人たちがいます。
安倍総理も本質的には同調しているのですが表に出すとアメリカからいちゃもんがつくので大人しくしているのが得策と判断しているとしか思えません。
アメリカがついているからという理由で中国敵視政策に突き進むことは冒険です。それが悪い方に転がった時は中国と戦火を交えることにつながります。
日中両国も友好とか表面的に言っていても戦う準備をしている国だとみているのですから手を握ることはありえません。言葉の遊びをしているに過ぎません。
中国を封じ込めることが善だと思い込んで、その思い込みから全ての振舞を決定しているかのように見える安倍総理の外交は日本を戦争に導く危険性を持っています。
走り出してしまった以上冷静さを取り戻し対立の火種を取り除く方に舵を切ることを安倍総理に求めるのは無理でしょう。嫌な時代になったものです。
世論調査を見ても国民は反中国に完全に傾いています。日中友好を願う我々にとっては正念場です。二度と戦争はしてはならない一点で地道にやるしかありません。