教育委員会制度改革を考える。

(画像は開成南小学校 ヤフー画像より)

水曜日は、神奈川大学での講義日です。2限の政策過程論では、開成町の新小学校建設のプロセスを話しました。低学年と高学年で小学校を分ける案を解説しました。

今考え直してみても斬新なプランでした。1年生から4年生までを低学年として既存の小学校、新たにできる小学校は高学年専用にしようとしました。

低学年の時は体験教育重視でどんどん外に出て行き、高学年になればレベルの高い授業内容にして中学校へとつなげていこうと考えたのですが失敗しました。

私自身、日本でここだけしか行っていない教育を展開しようと欲があって、焦りが生じました。これが上手く行かなかった最大の要因です。

教育委員会制度の存在もありました。教育行政を担うのは教育委員会で町長の部局ではありません。教育委員会との話し合いが足りませんでした。

父兄からは兄弟姉妹で別学校になると通学が心配だと反発が相当に出ました。それと、公立学校が他と違ったことをすることに反発がありました。

開成町全体を一つの学校と捉えて学区を設けずに代わりに小学校を低学年と高学年に分離することで教育の町をアピールしたかったですが幻になりました。

学生たちにも今でも残念だと思っていると話しました。自分の焦りという心構えの失敗に加え教育委員会制度によって制約があったと説明しました。

父兄や学校内部の説明は教育委員会となります。自治会での地域懇談会では私が説明しました。時間のない中二頭立ての馬車で斬新な政策を進めるのはできませんでした。

この結果は、首長のいわば暴走に対して一定の歯止めをかけたとも見れますし、斬新な計画に対して積極的に動く機能を果たすことができなかったとも見れます。

教育委員会は、教育委員長が権限を持っているのに非常勤、実質的には事務局をになる教育長が差配しています。あと原則3人委員がいますが非常勤です。

首長は教育委員を選ぶことができますので人事で権限を行使することができますが具体の中身は教育委員会に一任する軽視的になっています。

誰が、責任を取るのかがあいまいなことが問題となります。首長なのか教育委員長なのか教育長なのかです。改革を求められている背景です。

国会で教育委員会制度に対する抜本改正を狙った法律案が審議中です。新たな教育長を設けて現行の教育委員長と教育長の権限を一元化するのが骨子です。

教育委員会は、新教育長が中心ということです。一方、首長が主宰する総合教育会議を設けることとしていますので首長の権限行使はこれまでより強まります。

教育委員会と首長の距離が近くなることは間違いありません。教育長を選ぶのは首長ですので一番の権力者になる可能性も当然あります。

無責任体制の脱却は必要です。かといって独裁は困るわけです。専門的な意見や父兄や地域の声も反映しなくてはなりません。慎重な運用が求められます。

責任が明確になったことは良い方向です。しかし制度をどう活かすかは人次第です。私は、良識のある首長と責任感のある教育長の二枚看板が必要だと思います。