立民、野田代表の宥和姿勢で自滅の恐れ

年金法案が与党と立民で合意されました。
会期末を前にひそかに準備された茶番劇に見えます。

政権の危機を自覚する自民党と呼応する野党第一党とのなれ合いです。
狙いは国民民主外しと見ます。

自民党の森山幹事長が立民に手を回し周到に準備したとにらんでます。
国民民主の勢いをそぐ策略に立民が乗った格好です。

今回の改革は厚生年金の積立金の活用が肝です。
自営業者や就職氷河期世代の年金受給額を確保するためです。

加入者のサラリーマン層に影響が出ることが懸念されます。
自民は腰が引けていました。

合意内容はあいまいです。
2029年の財政検証を踏まえて判断するというのですから先送りしただけです。

自民党にとって政治的効果は大きいです。
立民は内閣不信任案を出しにくくなりました。

産経新聞はトランプ関税対応を理由に野田代表が提出先送りを示唆と報じてます。
野田代表の性格を捉えた記事です。

野田代表は2012年6月総理時代に野党の自公と共同戦線を張り消費税率アップに合意しました。
12月の総選挙で民主党は壊滅的敗北を喫しました。

党利党略を超え天下国家の行く末を案じる奇妙な高揚感にはまったとしか考えられません。
所属政党を勝利に導くという党首の役割は吹っ飛んでいました。

今回も似通った判断に陥ったように見えます。
党勢はさして上向いていないのに敵に塩を送りました。

与党に寄りそうことを選ぶ野田代表の政局観は性格に深く根差していると見てます。
立民の参院選の見通しは暗くなりました。

自民党の方は小泉進次郎効果で党勢持ち直しの期待感が出てきました。
参院選まで効果が持続してくれとわらにもすがる気持ちだと思います。

野田代表に闘う気概があればまたとない攻め時でした。
そうしなかったのは自民党が息を吹き返す土台をしつらえてあげたようなものです。

これでは政権交代というスローガンがむなしく響くばかりです。
闘う姿勢が欠如した野田代表の姿勢は自滅への道です。