企業誘致戦国時代
神奈川大学まちづくり講義は今日から富士フイルム先進研究所の誘致へと進みます。
経済の潮流を先んじて捉えた大型企業誘致でした。
開成町は町域が極めて狭く開発用地が限られます。
製造業や物流拠点は選択から外れます。
研究開発型の企業誘致しか道はない状況に追い込まれました。
富士フイルムがデジタル革命の余波を受けて急速な業種転換の荒波の中にありました。
研究開発に積極投資するはずとの読みが当たりました。
医療や化粧品分野へと研究開発を深化させる流れにはまることができました。
当時の富士フイルムは強力な経営者がトップダウン型で改革を推し進めていました。
即断即決への対応は大変でしたが事業が格段にスピードアップしました。
小田急電鉄のバックアップ、松沢神奈川県知事の全面支援もありました。
好条件がそろい進出決定からわずか1年半、2006年4月創業でした。
経済全体の潮流と企業の動向を読むことが第一。
有力企業と県と国の支援が第二です。
これは現在も変わらない原則だと思います。
あとは当事者が本気どうかです。
日本経済は未来への産業投資が不足していることは明らかです。
大型の開発事業に日本企業は二の足を踏んでいるうちに世界に取り残されました。
台湾の世界的半導体メーカーTSMCに象徴されるように外国企業の積極投資が頼みの綱になってます。
情けない現状に反転攻勢をかけるため私なら日本企業の踏ん張りにかけます。
ターゲットとする最有力分野は”量子”です。
ミクロの世界は無限の可能性を持っていることが先端研究で明らかです。
世界で量子コンピューターを始めとするこの分野で競争が激化してます。
日本政府も躍起となっていますのでチャンスです。
川崎市は量子研究の開発拠点を整備しようとしてます。
この流れに呼応した大学と日本企業連合を柱とする企業誘致は大いにあり得ます。
今はいわば企業誘致戦国時代です。
地方自治体の才覚と本気度次第で下剋上も可能です。