国会最終盤政局のキーマンは立民野田代表

終盤国会を緩くさせたのは年金制度をめぐる立民の妥協です。
中身の精査は乏しく妥協のための妥協、茶番劇に見えました。

野田代表は国難の時期に政治空白をつくってよいかとの言葉を口にします。
トランプ関税やコメの高騰に象徴される物価高を意識したものです。

政治的空白を作ってはいけないという立ち位置です。
石破総理に対する奇妙な援護射撃です。

ところが内閣不信任案が提出されれば総理は国会を解散するとの情報が流れました。
真実だとすると総理のひと言は口に出したからには元に戻せません。

提出されて解散しなければまたもや言ったことが覆されるパターンになります。
昨年9月の総裁選では国会で論戦を経て解散が筋だと正論を述べてました。

就任したとたんに前言をひるがえしました。
解散に踏み切り少数与党に転落しました。

現段階では立民をけん制するため自民党が投げたくせ玉と見るのが順当です。
森山幹事長が「総理が適宜適切に判断する」とけむに巻いているのが証拠です。

流れを変えたのは小泉進次郎農水大臣の登場です。
自民党内には勝負できるかもしれないとの期待感が出てきているのでしょう。

政権を野党に渡してよいかどうか開き直った方が選挙に勝てるとの思惑もあるはずです。
解散へのハードルを下げる流れをつくってます。

自民党が投げたくせ玉は立民が口先だけの政党かどうかが問う状況をつくり出しました。
受けて立たなければ政権交代との主張がむなしいとの党内の意見を強めます。

立民は年金制度をめぐり見え透いた妥協をしたツケが来ました。
野党第一党の存在感を保つには提出を避けようとした内閣不信任案が焦点になってしまいました。

自民党と野党第一党の立民双方が建前に縛られて進みだすと思わぬハプニングがあり得ます。
1993年6月の国会会期末、解散の流れが一気につき自民党は政権の座から転落しました。

何が起こるかわからなくなりました。
カギを握っているのは立民野田代表です。

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