まちづくりとイノベーション
日本の競争力ランキングは現在38位です。
国際経営開発研究所の世界競争力年鑑2024年版のデータです。
競争力は新たなものを産み出すイノベーション力と捉えることができます。
イノベーションの法則があります。
偉大な経済学者のシュンペーターが提起しました。
イノベーションは新たな要素がかかわりを持つ”新結合”によって産み出されるというのです。
政府がこのほどまとめた「地方創生2.0基本構想」案でも「新結合」が語られてます。
いたるところで目に飛び込んできます。
しかし実践する人がいなければ絵に描いた餅です。
企業家と言われる挑戦者が不可欠なのですがこの手の人財が乏しいです。
まちづくりにおける企業家は言うまでもなく首長です。
新結合=イノベーションと呼ぶにふさわしい新規の事業はあまり目にしません。
自治体間競争が激しいのは手当てをつける住民サービスばかりです。
財政負担ばかりがかさみ持続できません。
私が考えるもっともわかりやすい”新結合”は古さをよみがえらせて活用することです。
ふるさと新しさとの”新結合”、古民家の再生に象徴されます。
かやぶき屋根の古民家、瀬戸屋敷の再生はイノベーションなのです。
大都市と農村との交流拠点としての位置づけも”新結合”のひとつです。
瀬戸屋敷の再生が酒蔵の復活につながるなど波及効果を生んだのはイノベーションだからです。
貴重な事例です。
進化した形態もあります。
長野県小布施町のように町全体の景観を整えて古さをよみがえらした町もあります。
世界に冠たる葛飾北斎が晩年に過ごした町らしく北斎美術館という拠点施設もあります。
小布施町のいわばランドマークです。
小布施町は町全体を舞台に温故知新型イノベーションを進めていると言えます。
合併を選択しなかった人口1万人の町の挑戦はまばゆいです。
日本中で小布施町のような挑戦が展開されたらと思うとワクワクします。
日本は地方から再生すると思えてなりません。