開成町の教育のまちづくり
神奈川大学のまちづくり講義は開成町の原点である教育の町づくりに入りました。
なぜ原点かと言えば町の名前が教育を意味する中国の古い言葉だからです。
「開物成務(かいぶつせいむ)」の「開」と「成」をとって「開成」となりました。
知る人ぞ知るといったたぐいの言葉です。
しかしこうした町の名前の由来には関心を持って欲しいと学生には伝えました。
名前には必ず意味があるからです。
自治体に就職を希望する学生は特に留意が必要です。
詳しく知っていれば面接の際に対話の題材にできます。
「開物」とは知識を開くことで「開物成務」はその知識を活かして務めを成すことです。
教育を意味するとされます。
中国儒教の古典の「易経」の一節です。
ふたつの村で運営していた小学校の名前が「開成」で1955年に合併した際に小学校の名前が町名になりました。
極めてユニークな歴史です。
教育は開成町のまちづくりの根っこにあります。
1963年私の父は教育のまちづくりを掲げて町長になりました。
ただちに行ったのが小中学校の学校給食の全面実施です。
続いて小中学校校舎の全面建て替えや幼稚園の創設といった事業を行いました。
1983年に町長を退いた際の置き土産が開発区域内に残された小学校の建設用地でした。
父は翌年に急死しましたが26年後にその用地に新たな小学校が建ちました。
少子高齢化が進む中で新設小学校建設はちょっとした金字塔だと思います。
父がまいた教育のまちづくりのDNAは引き継がれました。
開校してあっという間に15年目となりました。
新設小学校は地域との連携を重視する拠点としてスタートを切りました。
この精神が十二分に根付いているとは言えないところが残念です。
児童は地域に飛び出して学び地域の人たちも学校に入り学びを支える。
とりわけ低学年の時期に泥まみれになって実際に体験する学習を大切にしたいと考えました。
この理想はまだ道半ばです。
挑戦を続けて欲しいです。