教育分野でも首長の力量が問われる時代へ

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(画像は教育委員会改革イメージ 自民党ホームページより)

昨日は、神奈川大学の講義の日です。先週は、突然の発熱で休講してしまいました。7月末に補講をすることになりました。大学も厳格です。

政策過程論で私が町長時代に取り組み失敗した小学校を低学年と高学年に分離して校舎も別々にする案についてもう一度解説しました。

文部科学省内で小学校から中学校までの9年間の教育内容を教育委員会の判断で4年、2年、3年とか自由に分けることを可能にする制度の検討が始まってます。

小中一貫という考え方です。小学校は6年と決めつけるのではなく、また小学校も低学年と高学年に分けて内容に変化をもたらそうというものです。

開成町の場合は、教育内容だけでなく低学年と高学年の校舎も離れたところに置く提案でしたので国が現在検討している内容とは同一の改革ではありません。

しかし、低学年と高学年を分けて考えて中学校につなげようという発想は同じです。校舎も別にしようという開成町の提案の方がより徹底しているといえます。

こうした国の動きが既に表面化していれば開成町の低高分離議論の時のもかなりの影響が出たと思います。国がどう考えているかは大きな影響を与えます。

もう一つ、教育委員会制度の改革は急ピッチです。法律案が衆議院を通過しています。この改革が通れば教育の大変革をもたらす可能性があります。

今の教育員会制度は責任があいまいだということで教育委員長と事務を預かる教育長を一体化させて新教育長を作り教育の責任者としての位置づけを明確にします。

それと首長が教育に大きくかかわってきます。地域の教育行政の大枠は総合教育会議で決めます。主宰者は、新教育長ではなく首長です。

この改革が実現していたあと開成町の低高分離議論がなされていたならば大きな違いがありました。首長が直接、案を提案し議論する機会を持てます。

保護者の反対が強かったので実現したかどうかはわかりませんが、私が直接問題提起し議論はもっと徹底してなされたことは間違いありません。

いじめ問題の発生した際に教育委員会の対応が不十分であるとの批判や大阪の橋下市長のように教育に大胆に関与したいという首長の存在は改革の背景にあります。

教育は地域の重大課題です。選挙で地域の代表に選ばれた首長が教育行政への関与を強めるのは賛成です。首長の責任も明確になります。

しかし政治家が関わることの危険性もあります。首長の影響力は大きいです。専門的な意見を度外視して政策を推し進めることもあり得ます。

いかに冷静な議論を積み重ね地域にとって特色のある教育を展開できるか首長の力量にかかってきます。教育と首長の距離が縮まります。首長の責任は重くなります。