高揚し使命感に燃える安倍政治の危険性

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(写真は、ヤフーニュースより)

安倍総理が吹っ切れたかのように進撃を続けているように目に映ります。かつてのひ弱さが消えて日本と世界を動かしているという高揚感を感じます。

支持率が落ちない、党内にライバルがいない、消費税導入の反動がそれほどでもなく景気は何とかなる、得意の安全保障と北朝鮮問題で飛躍のチャンスがある。

現在、安倍総理には好条件がそろっています。しかし、好事魔多し、政界は一寸先は闇と言われます。何が起こるかわかりません。

集団的自衛権をめぐって公明党は自民党との妥協路線も浮上との報道が出始めました。しかし、公明党が筋を通して政権から離脱でもすれば政局は一変します。

また政府高官が慰安婦や靖国問題で頼りにしている同盟国のアメリカを刺激するような発言をしたりすれば再び同盟関係に暗雲が漂うことになります。

向うところ敵無しみたな安倍政権ですが、決して盤石ではありません。その根本原因は、安倍政権自体が極めて矛盾した論理で成り立っているからです。

何度か同様の見解を述べていますが安倍総理の本音は、アメリカの作った戦後体制にわだかまりを持っています。しかしアメリカとの軍事同盟国も重視しています。

日米間でこの奇妙な関係を維持するためには共通の敵がいなくてはなりません。中国です。中国に対する見方が日米で一致しているという絶対条件があります。

ここが崩れたら安倍路線は成り立ちません。アメリカは中国を脅威とみなし中国敵視政策を一貫して取り続けるという認識が完全に一致していなくてはなりません。

集団的自衛権の行使容認に突き進む背景には中国敵視論の日米共有の確信があるのだと思います。しかし、この確信が思い込みではないかと思えてなりません。

国内生産でみれば中国は既に世界第二の経済大国にのし上がりました。遠からずアメリカを抜いて世界一位になることで大方の見方は一致しています。

いくら包囲網をひいたところで中国が今の強大化路線を改めるとは到底思えません。能力を隠して控えめに外交を展開するとした鄧小平時代は過去のものです。

あからさまに自らの力を顕示しようとするでしょう。集団的自衛権行使の包囲網をひけば逆に危険な非遊びに手を染める危険は増すのではないかと思います。

アメリカがいつ何時梯子を外すかわかりません。世界一と二位の大国同士で世界の覇権を棲み分けようとアメリカが思わないという保障はどこにもありません。

安倍総理は賭けに出たと言わざるを得ません。しかし、安倍総理自身は賭けとは思っていないと想像します。威風堂々と道のりを歩んでいると思い込んでいることでしょう。

その奇妙な確信が、中国との戦争に追い込まれアメリカの捨て駒にされるみじめな日本を招くこともあります。危険な時代に足を踏み入れました。