本物を探せ!

各党党首の演説がテレビを通じて否応なく耳に入ります。
積極的に耳を傾ける気にはなれません。

石破総理には有権者とのずれを感じます。
評論家風の理屈っぽさが鼻につきます。

切羽詰まっているのですから素直に自民党の窮状を訴えるほかありません。
自民党体制を崩壊させて日本は大丈夫かという危機感が有権者に伝わらなければ勝てません。

内閣不信任案提出という勝負を逃げた立民の野田代表の演説は鮮烈な響きがありません。
立民は若い人の支持率が極端に低いですが理由がわかる気がします。

闘う気概を感じさせないと若い人には響かないと思います。
自民党がこれほど落ち込んでいるのに支持が伸びない要因のひとつです。

マックス・ヴェーバーは『職業としての政治』で政治家の条件を3つ挙げました。
燃えるような情熱と冷静な判断力それと結果責任を負う倫理感です。

私はこれに加え無私を条件としています。
私利私欲を越えることが大局を見誤らない大前提と思うからです。

最近もうひとつ加えたくなりました。
教養です。

知識ではありません、教養です。
知識は専門家から助言を受ければ身に着けられますが教養はそうはいきません。

一朝一夕には教養人にはなれません。
親や先輩の背中を見て時間をかけ自らの身体に染み込ませるものだと思います。

知識はひからかすことができ一見派手です。
教養は地味ですが人の背骨となることができ強じんです。

政治に教養が不可欠だと思うのには訳があります。
キャッチ―な言葉を声高に主張する政治の限界を痛感するからです。

いくら演説が巧みでもいくら人を幻惑する言葉を吐いてもそれだけでは単なる人気取りです。
このままでは政治がどんどん浅薄になってしまいます。

教養に裏打ちされた強じんな政治家が必要です。
深みのある議論をけん引する担い手になるからです。

情熱、判断力、責任感、無私、教養、すべて兼ね備えるのは困難です。
どれかひとつでも抜けた政治家を参院選で探します。