あの世が勝負。

先週13日の人生勉強会で講師の杉田廣善さんが発した一言が耳から離れません。「あの世が勝負なんですよ。」と杉田さんは言われました。

話しの後の懇談会で杉田さんに質問をしました。「あの世はどれだけ誠実に生きたかなど次元の違う評価がなされる世界だといういうことですか。」

杉田さんは、私があの世の世界の評価を気にしていると勘違いされたみたいで「ちゃんと生きていればしかるべき席があの世で用意されてます。」と答えられました。

時間がなくてこれ以上突っ込んだやり取りはできませんでした。ちょっと残念でした。私はこの世とあの世は全く異次元の評価の世界だと思っています。

こんな風に思うようになったのはある方の死がきっかけになっています。開成町に住む元国鉄マンの底抜けに明るい方でした。

常に屈託のない笑顔で町長時代の私を励ましてくれました。国鉄に入る前は中国の旧満州に軍人として赴任し軍人だった私の父とも交流がありました。

お酒が大好きでした。明るいお酒で軍人時代を思い出し「ただいま帰還しました。」と敬礼しながら公園で一人芝居を演じている姿をみたこともあります。

自治会活動にも熱心でした。とにかく明るいので場が何となくまとまる雰囲気になります。晩年、がんを患いましたが明るく受け止めていられました。

家族はというと決して平穏ではありません。奥様は病に倒れ寝たきりでしたし、2人の息子さんも年齢とともに身体が動かなくなる病気を持っていました。

でも明るいのです。笑顔を絶やしませんでした。上っ面の笑顔ではなく心の底からの笑顔です。私はこの方は本当に只者ではないとずっと思っていました。

無くなった直後しのぶ会がありました。「この世の評価以上に、天国の通信簿がとても高い方です。」とあいさつをさせてもらったことを覚えています。

この世は、学校の成績が良いとか権力を持っているとかお金持ちだとかが評価の基準です。全て相対的なものですし、モノはあの世に持ち込むことができません。

ごく普通の人であっても厳しい環境の中でも明るく振る舞い接する人たちを勇気づけた人生は、目に見えませんが魂に刻み込まれあの世に持っていけると思ってます。

紹介した方は、あの世で神と巡り合い良くやったとほめられたに違いありません。あの世で評価される人生。生き方の目標です。見習います。