新型の合板、CLT製造工場への挑戦

日本の森林が伐期を迎えていることは明らかです。戦後、高度成長で木材需要が増えることを見込んで一気に植林が進みました。スギとヒノキが主力です。

しかし、木材の自由化が進み国内の木材の価格競争力が落ちて思惑通りにはいきませんでした。間伐も進まず放置されて山が荒れていることは素人でもわかります。

もっと悲しいことに折角、間伐したのにそのまま置きっぱなしにしてある様子を見ることです。コストが合わないからです。惨たんたる状態です。

もはや少しずつ間伐などと言っていられる状況ではありません。必要か所は、皆伐を進め植林のし直しか自然林に戻す山林がどんどん増えると思います。

皆伐して廃棄物にし焼却処分をしたりすれば二酸化炭素を大気中に放出することになりますし、何のために植林しか判らなくなります。

CLT画像

(写真は、CLT 日本CLT協会ホームページより)

国内産材を積極的に活用する需要を増やすことが急務です。新型の合板のCLTへの本格事業展開が国策として求められる時代になりました。

安倍総理大臣が3月3日の参議院予算委員会で推進を明言してから国の方でも動きが早まってきました。この流れを見逃してはなりません。

CLTは、繊維を水平方向に張り合わせた通常の合板とは異なり垂直方向に張り合わせたものです。この手法によってコンクリート並みの強度が得られます。

ヨーロッパではCLTを使って9階建て、10階建てクラスの高層建築が建ち始めています。地震国イタリアでも導入が進みだしました。

日本では岡山県にある銘建工業という製材会社ただ一社が製造のパイオニアです。銘建工業の音頭取りで日本CLT協会も発足しました。140社、団体が加入してます。

加入者が増えてきています。神奈川県も量は少なくても豊かな山林を有しています。その大半は県央から県西部地域に広がっています。関心を高める必要があります。

CLTの優れたところはC材と言われる質の悪い木材でも活用できる点にあります。神奈川県でも13000立米ほどこのレベルの木材が出ます。

千葉県まで運んで処理してもらっているということです。もったいないです。この木材を活用する事業モデルを編み出せないか喫緊の課題です。

松田山の山林保全に取り組んでいるボランティアの方々の有志が立ち上がり神奈川におけるCLTの産業化に向けて積極的に動きだしてます。

実際にCLTによる建築がどんなものなのかを神奈川県産材を活用し建築物を建てられないか走り回っていられます。強い関心を持つ民間企業も出てきました。

現在は製造工場は岡山の一社だけですので岡山に運んで製造してもらうという難点があります。しかし、まずは建てて見てもらわなければ理解が進みません。

CLTの建築に関わる建築基準法の改正が再来年に予定されています。この後なら自由に建築が可能となります。早急に検討を始めれば第一号も夢ではありません。

成功すれば全国に大きなインパクトを与えると思います。神奈川県でCLTの製造工場という話も出てくると思います。夢を実現したいです。