小田原市は地域の中心都市らしい福祉行政の展開を!

先月28日小田原市の加藤市長が黒岩神奈川県知事に対し要望書を提出しました。
重度障がい者施設の拡充や専門的指導の強化についてです。

たまたまニュースを視ていて違和感を持ちました。
施設の拡充に一足飛びに行くのは小田原市の責任逃れではないかと首を傾げたからです。

きっかけは昨年7月千葉県長生村で起きた78歳の父親による重度知的障がいがある息子の殺人事件です。
今年3月の千葉地裁の判決で父親だけを責めるのは酷だと執行猶予付きの判決が出ました。

家族は小田原市に居住していて受け入れ施設がないため千葉県に転居したものです。
家族だけで介護することへの絶望感から殺人事件へと発展したと考えられます。

今年7月神奈川県の検証チームが報告書を公表してます。
冒頭に重い結論が書かれてます。

「関係機関は「普段は子どもを思いやる優しい家族」ととらえるにとどまり、本人への支援を家庭任せにしてきた。その結果、「自分たちでどうにかするしかない」と家族が孤立し、厳しい状況に追い込まれる構造が生まれていた。」

関係機関の中には当然のことながら小田原市が入ってます。
いちばん身近な相談窓口であるはずの小田原市の窓口対応が十分であったか否かが問題となります。

加藤市長は先月8日の記者会見で「対応が不十分であった。」と認めています。
県への要望より先に小田原市として何が不足していたかの検討と公表の方が先ではないでしょうか。

県に対して施設の拡充を要望したところで手品はできませんので時間はかかります。
県の専門的指導があれば本当に対応が改善できるのか疑問なところがあります。

市のスタッフが足らないのなら市の責任で補うのが筋です。
小田原市だけで確保できないのならば広域対応を考えるのも一案です。

神奈川県西部地域の中心市である小田原市の責任感と指導力が問われているように思います。
小田原市が主体となって福祉行政の充実に向け積極果敢に行動して欲しいです。