評論家総理の最期

石破総理の辞任会見を視ました。
能弁でした。

真に苦渋の決断ではないと思います。
痛恨の思いを胸に秘めている人があれほど多くは語れません。

どこか他人ごとの評論家総理だから可能なのです。
最期は石破総理らしさを発揮したと言えます。

日米関税交渉が決着したことが辞任の最大の理由です。
参院選の責任は総理総裁にあるが交渉中なので口が裂けても言えなかったと述べました。

選挙直後に辞任は決断していたと受け取れます。
読売新聞や毎日新聞の報道はあながち誤りではなかったことになります。

口が裂けても言えない重大な事柄が漏れるのが気になります。
評論家総理の言葉は軽く変わりやすいのです。

あわよくば続投という思いはあり世論の後押しがその野心を強めたはずです。
包囲網が狭まっても粘れたのは世論に期待したのだと思います。

自民党内の動きと世論とのかい離について会見で触れてました。
一生懸命仕事をして欲しいとの国民の気持ちだと述べ期待感があったことをにじませていました。

石破おろしは世論に背を向けているとして解散総選挙に正当性を与えます。
石破総理に郵政解散に踏み切った小泉純一郎さんのような度胸があれば緊迫します。

これはありえません。
石破総理を支えているのは死に体になってから踏ん張り出したゾンビ魂だからです。

粘ることはできても打って出る前向きのエネルギーはありません。
次期総裁選への出馬見送りは自然の流れです。

原点に立ち返って考えるのが正しいように思います。
選挙で大敗した総理は責任を取るという常識が勝ったことになります。

ゾンビ魂に支えられた評論家総理が身を引いたというのが私の感想です。
虚しさを感じます。

自民党は次の総理総裁選びに突入です。
衆参過半数割れですので野党各党との折り合いがいちばんの条件です。

政策ごとに協議を重ねる手法なら林官房長官、新たな連立政権を視野に入れるならば小泉農水大臣。
高市早苗さんらタカ派は厳しいと思います。