神奈川県松田町長選、現職薄氷の勝利のわけ

松田町長選、4選を果たした本山博幸町長に41票差に肉薄した新人の坂田純さん。
予想をはるかに上回る大接戦に驚きました。

小田急線新松田駅前開発をめぐって根強い反対があることがうかがえます。
争点が明確だと1対1の選挙はわからないとつくづく思います。

4年前は別の新人と一騎打ちでしたが838票差で本山町長が3選を果たしました。
一気に票差が詰まりました。

現行の開発計画で進むことができるのか一筋縄ではいかないと見た方が良いです。
議会の抵抗に加え住民からの反発の声も大きくなる懸念があります。

現職苦戦の背景には町長任期は3期までとした条例を廃止したことも影響してます。
町民の直接請求に基づき廃止されましたが公約破りだとの不信感は消えずに残ったはずです。

坂田さんがここを徹底して追及する姿勢で臨めば勝負はわからなかったと思います。
坂田さんは政治的な策を弄すだけの経験を積んでいませんでした。

政策論争で決着をつけたいとの思いが強かったのだと推測します。
現職相手には正攻法だけでは勝てません。

本山町長は命拾いしたと思います。
4期目は慎重な町政運営が求められます。

駅前開発を強引に進めようとすると反対運動に火が付きます。
本山町長は4年かけて成案を得るぐらいの気持ちでどっしりと構えて取り組んで欲しいです。

今回の駅前開発は小田急線新松田駅の駅舎など地域全体を含めての開発構想ではありません。
故・平野興二元町長が掲げた大風呂敷に比べると中身がいささか寂しいです。

バブル期とは異なる時代環境であることは重々承知です。
それでも大きな構想を打ち出しその第一歩として今回の開発を位置付ける方が説得力が増します。

開成町の駅及び周辺地域の開発は60年前に町長だった私の父親が打ち上げた構想が出発点でした。
その時の小田原に次ぐ副都市構想を今なお追いかけています。

長期スパンで捉えたまちづくりが成功への土台です。
焦らず進めることが大切です。