読売新聞の度重なる大誤報の背景を探る
1979年前私がNHKに入社したころは朝日毎日読売の3大紙の記者が華でした。
NHKは公共放送で特別の立ち位置にありましたが取材力という点ではやや見下されていました。
負けてなるものかとしゃかりきになって取材した記憶が生々しいです。
しかし今やその3大紙が部数の落ち込みだけでなく取材力の低下に悩んでいます。
読売新聞がむごいです。
7月の参院選後の23日に石破総理退陣の号外まで出す大誤報を犯しました。
検証記事を発表しましたが言い訳に聞こえます。
退陣と受け止めざるを得ない発言を石破総理が漏らしていたがその後ひょう変したというのです。
読売は続けざまに大誤報を出してます。
先月27日東京地検特捜部が捜査中の秘書給与の不正受給事件で捜査対象となった政治家を間違えました。
紙面に書かれた政治家はさぞかし驚いたことでしょう。
同じ党の別人物だったというのですから悪い冗談に聞こえます。
担当記者は必死の思いで取材対象を追いかけて特ダネをものにしたと思います。
正しいかどうかのチェックは総合力です。
読売新聞の政治部と社会部は組織のどこかに欠陥があります。
618万部と日本最大の発行部数を誇る巨大紙の危機です。
誤報の真の原因はインターネット社会の進展だと見てます。
SNSで膨大な情報が行き交い手軽に情報にアクセスできるので記者の取材力が育ちません。
取材対象と信頼関係を得てネタを取るより情報の渦の中からネタを拾う傾向が強まります。
記者の命であるはずの地道な取材を置き忘れてしまいます。
加えてネタの真偽をチェックする体制まで欠陥があるとなると復活は容易ではありません。
読売だけでなくマスコミ全体の危機だと捉えるのが正解です。
NHKも選挙のNHKの看板に偽りがあるとしか思えない報道ぶりが目立ちます。
こちらも記者の取材力の低下が根本にあると考えます。
選挙で言えばどぶ板の復活が必須です。
足を棒にして歩かずして記者とは言えません。