首長の振る舞いで神奈川県西部地域に元気を注入

12日中井町の元町長岩本勇さんの通夜がありました。
99歳でした。

棺のお顔は元気だったころの面影がありました。
ご家族によると最期まで認知機能はしっかりしていたということです。

先月103歳で亡くなった母と同じで天寿を全うした人生です。
悲しみの中にもどこか満足感に似た気持ちが湧きます。

1998年2月から2011年3月までの町長時代に多くの首長とともにまちづくりに携わりました。
岩本さんを入れてすでに10人がこの世を去りました。

私が町長を務めたのはバブル経済がはじけた後の日本の立て直しの時期でした。
小泉純一郎内閣による構造改革の嵐が吹き荒れて各自治体は効率化を強引に求められました。

元気が良く声が大きい首長が多く神奈川県下でひときわ目立っていた地域でした。
県に異を唱えることがしばしばありました。

私が一番抵抗したのは県立足柄上病院の産科廃止でした。
人口減に対応すると言いながら人口減少地帯の産科を廃止するのは矛盾だと徹底抗戦でした。

松沢県知事は自ら産科医師の確保に奔走しました。
産科廃止は撤回されました。

山北町の佐藤町長や大井町の間宮町長、湯河原町の米岡町長や真鶴町の三木町長。
皆さんひと癖もふた癖もあって聞かん坊ばかりでした。

根っ子に流れているのは自らの地域を何とかしたいとの熱い思いです。
駄々をこねているのではありません。

当時を思い出して現在の県西地域の首長の振る舞いを拝見すると格段に紳士が揃ってます。
いい意味での荒々しさが乏しいです。

意見の違いがあっても最後は地域全体がまとまれば良いのです。
そうした方面での首長の指導力が欠けているように思えてなりません。

県西地域の中核は小田原市であることは自明です。
紳士中の紳士の加藤市長は強引さは最も苦手なであることは承知です。

しかし多少強引でも圏域の市町を束ね地域全体の未来を考える指導力を発揮して欲しいです。
今のままでは県西地域はますます衰退が進みます。