“生きる伝説”となることを目指そう

20日の日経新聞の文化欄に95歳のジャズピアニストの秋吉敏子さんが紹介されていました。
「生きる伝説」という書き出しでした。

世界的な存在感を放つ秋吉さんの歩みをズバリ一言で言い表しています。
筆力とはこういうことを言うのだと思います。

秋吉さんの生涯で注目したのは旧満州生まれです。
かつて日本のかいらい国家であった中国大陸の大地は才能を開花させます。

もっとも有名な音楽家は小澤征爾さんです。
昨年2月に逝去された小澤さんと秋吉さんは重なって見えます。

旺盛な挑戦者魂が宿ってます。
ともにせせこましくなくスケール感を感じさせるのです。

秋吉さんは日本へ引き上げた後ジャズの本場アメリカへと向かいました。
小澤さんはクラシック音楽の発祥の地ヨーロッパに指揮者として武者修行に旅立ちました。

東洋人が色眼鏡で見られるヒリヒリする環境を克服し世界の人となりました。
冒頭のことば「生きる伝説」へとつながります。

生きる伝説としては秋吉さんの方が上手です。
小澤さんは88歳で亡くなりましたので本物の伝説となるには少し早すぎる生涯でした。

秋吉さんはまだ現役で東京でコンサートを開いたばかりです。
生きる伝説の物語は継続中なのです。

小澤さんがもう少し元気でいて90歳でウィーンフィルを指揮したとしたら…。
見果てぬ夢に終わりました。

昨年4月に92歳で著名なピアニストのフジコ・ヘミングがなくなりました。
生きる伝説でしたがもう少し長生きして欲しかったです。

100歳の彼女が弾くリストの「ラ・カンパネラ」を聴けたら生きる伝説は完了でした。
100歳が生きる伝説の指標です。

天才的才能の持ち主だけの話ではありません。
全ての人は生きる伝説になれます。

長生きをするのが条件です。
誰もが尊敬する行いをやり続けるのがふたつ目の条件です。

100歳までごみをボランティアで拾い続けることも生きる伝説物語です。
立派な目標を見つけるのに遅すぎることはありません。